琴ノ若に土がつき、上位の全勝が消えた。若元春が
先に攻め、いなして押し出した。琴ノ若はうまく攻
められた。若元春は横綱・大関戦を終え、2勝2敗
の結果を残した。難敵であるのは間違いない。
琴ノ若、上位単独トップは簡単な道のりではなかっ
た。現在は混迷の時代である。優勝のチャンスは誰
にでもある。ここから立立て直せるか否かで琴ノ若
のこれからが決まる。
6日目、一番面白かった相撲は結びの一番照ノ富士
対翔猿である。翔猿の動きか照ノ富士の万力か。翔
猿あたっていなし、足技まで繰り出す。激しい動き
の中、照ノ富士残して出て小手投げ。そのまま正面
土俵に押し出した。見ごたえ十分の一番であった。
豊昇龍は阿炎のもろ手突きからの引き落としにあっ
さり手をついた。もろいといえばもろい。もろすぎ
る。豊昇龍は自分が一番力の出せる相撲を見出だす
ことである。今のままではこの先に展望が開けない。
霧島は先場所負けている豪ノ山相手に立ち合いすぐ
に右上手を取った。これで勝負あった。ただ、ここ
までの相撲は盤石の域まではいっていない。横綱相
撲のレベルともいえない。といっても今はひたすら
ベストを尽くすほかない。
上位の全勝は消えた。まさに混迷の時代である。