大ちゃんの愛称で親しまれた大関朝潮が小腸がんで
亡くなっていたことが３日判明した。67歳という若
さだった。春先から体調すぐれず、闘病生活だった
という。
朝潮の名は５代目だった。３代目は春秋園事件で脱
退し、朝潮の四股名を剥奪され、男女ノ川に戻して
いる。ほかは、１人が横綱、３人が大関になってい
る。
近畿大学時代、２年連続学生横綱・アマ横綱に輝い
た。幕下２場所、十両２場所で突破した。これは輪
島を超えたスピ－ド出世だった。朝潮は三賞の常連
だった。27場所間に14回受賞している。内訳は殊勲
賞10回、敢闘賞３回、技能賞１回であった。特に横
綱北の湖にはめっぽう強く、不戦勝をいれて13勝７
敗の対戦成績だった。
朝潮は珍しい記録を残している。小結・関脇のとき
３度優勝決定戦に出場して３度とも負けている。横
綱千代の富士に２敗、大関琴風に１敗している。大
関昇進は３度目の優勝決定戦をいかしてのものだっ
た。
大関になったものの横綱のチャンスはなかった。こ
の点は輪島に及ばなかった。大関昇進後12場所目、
大関若嶋津との12勝２敗の相星決戦を制し、唯一の
優勝をモノにした。最初で最後の花だった。
引退後は若松親方として若松部屋の力士を育成して
いた。定年が近い元富士錦の高砂部屋を合併する形
で高砂親方になった。横綱朝青龍、大関朝乃山、朝
赤龍などを育てた。65歳定年後は再雇用として残っ
た。だが、コロナ外出禁止期間中外出し、自ら協会
を去った。
明るいキャラはもう見られない。さようなら大関朝
潮！
