14勝1敗で優勝をのがしていたことが2回以上ある
力士は4人いる。3人目は大鵬である。最初は昭和
38年九月場所であった。大鵬と同日にだき合わせで
横綱になった柏戸。直前3場所の大関時代優勝がな
く、横綱になって11場所優勝がなかった。それどこ
ろか5場所連続休場中であった。
柏戸が優勝したのは横綱直前5場所前である。それ
から優勝は2年半なかった。ライバル大鵬は11回優
勝していた。昭和38年九月場所は柏戸復活をかける
場所であった。
柏戸は予想外に健闘し、5大関を撃破して初日から
14連勝。大鵬は安定した相撲でこちらも14連勝。両
者は千秋楽全勝同士で激突した。大鵬は腕を交差さ
せもろざしをはたすも、柏戸はかまわず圧倒して寄
り切った。柏戸涙の優勝であった。
時は流れ、大鵬は次の世代の横綱と優勝を争ってい
た。昭和45年十一月場所、安定した相撲を取る玉の
海は初日から14連勝。大鵬は1敗で千秋楽を迎えた。
本割は大鵬が勝って優勝決定戦になった。優勝決定
戦は玉の海が制して4回目の優勝を達成した。
貴乃花は14勝1敗で2回優勝できなかった。それも
同部屋の大関貴ノ浪との優勝決定戦であった。その
なかには河津掛けで敗れたことがあった。
14勝1敗で優勝を4回逃した力士がいる。記録男の
白鵬である。平成21年の東京3場所である。一月場
所と九月場所は1敗の横綱白鵬が全勝の横綱朝青龍
と千秋楽に対戦した。いずれも本割で白鵬が寄り切
りで勝ちながら優勝決定戦で寄り切り・すくい投げ
で朝青龍に屈している。
平成21年五月場所は大関日馬富士と14勝1敗同士の
優勝決定戦となった。4場所前の十一月場所では、
白鵬が関脇安馬(日馬富士の前名)を優勝決定戦、
上手投げで退けている。今回は日馬富士が下手投げ
でリベンジを果たして初優勝した。
4回目は平成24年七月場所であった。横綱白鵬、大
関日馬富士ともに初日から14連勝。千秋楽、優勝を
かけて結びの一番で激突した。日馬富士が寄り切り
で勝って横綱に近づいた。
白鵬の4回の14勝1敗優勝なし記録は白鵬クラスの
横綱が出ない限り、破られないかもしれない。
(この項目終わり)