大関で最も危ういと思われたのが貴景勝である。貴
景景勝来の相撲は取れていない。さらに対戦相手は
元大関の朝乃山である。朝乃山が貴景勝をつかまえ
勝負ありと思われた。
だが、実際の相撲展開は違った。貴景勝はあたり勝
った。これが大きかった。二の矢も出て後退した朝
乃山をはたき落とした。
押し切る相撲は今の貴景勝には難しい。押しからの
いなし、突き落とし、引き落としなどのへの展開で
ある。工夫が貴景勝を救う。
豊昇龍は果敢に攻めて出た。豊昇龍の勝ちかと思っ
たが、左が入って正代がすくうと豊昇龍は落ちた。
正代の老獪さに敗れた一番であった。
豊昇龍はこれで１勝３敗と苦しくなった。新大関と
なるとやはり周囲の見る目が違ってくる。ここで躓
くのか、苦しみのなかから２ケタ勝利をあげるのか。
今岐路に立っている。
霧島はどの程度の大関なのか。先場所は途中出場し
て負け越した。強い霧島はより粘られて苦戦する霧
島、豪快に投げられた霧島の印象のほうが強かった。
４日目の阿炎戦は相手の突きあげからの引き落とし
にあっさり手をついてしまった。
大関に３勝した北勝富士は大栄翔に一方的に攻めら
れ敗北した。優勝のゆくえは混沌としてきた。大関
が何人いても本命はでてこない。それが判明した４
日目だった。
