■北の湖
輪湖時代、北の湖時代をみてきた方にとっては北の
湖が苦手とした相手にピンとくる力士が思い浮かぶ
であろう。朝潮である。
初顔のとき北の湖はすでに横綱だった。朝潮が関脇
以下のとき5勝11敗(不戦敗含む)だった。そのた
め朝潮は殊勲賞が多かった。朝潮の大関時代は北の
湖の2勝2敗であった。北の湖にとって顔を見るの
もいやという対戦相手が朝潮であった。
北の湖の横綱時代、もう一人負け越している相手が
いる。若嶋津である。6勝9敗である。5連敗した
ことがある。北の湖の晩年と重なった時期があった
ことが大きい
なお、輪島との横綱時代の対戦成績は19勝14敗であ
った。
■千代の富士
31回優勝、54連勝の千代の富士にも天敵のような存
在がいた。隆の里である。互いに優勝をかけた一番
では苦杯してきた。千代の富士の横綱時代、対戦成
績は6勝11敗であった。力、技を封じる、そんな相
撲であった。隆の里はポパイと呼ばれるほど筋骨隆
々であった。
■貴乃花
曙は貴乃花と同期であり、出世競争のライバルであ
った。大関・横綱は曙が先行した。曙の破壊力は脅
威であった。だが、大きく花開いたのは貴乃花であ
った。貴乃花の横綱時代の曙戦の対戦成績は14勝9
敗であった。
曙以上に横綱貴乃花に肉薄した力士がいる。千代大
海である。不戦敗を含め、9勝6敗であった。千代
大海が関脇以下のとき貴乃花の4勝2敗であった。
千代大海が大関になると5勝4敗と肉薄されていた。
なお、貴乃花の横綱時代、武蔵丸とは21勝13敗であ
った。
(この項目続く)