七月場所で初優勝した豊昇龍の大関昇進が正式に決
定した。名古屋の宿舎に使者を迎えての口上は「大
関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)
の精神で努力いたします」であった。モンゴルでは
朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、霧島に
ついで7人目の大関である。優勝しての大関昇進は
系統別総あたり制が定着した以降では以下である。
栃錦
大鵬
佐田の山
栃ノ海
三重ノ海
千代の富士
琴風
北天祐
曙
千代大海
出島
照ノ富士
正代
御嶽海
15人中9人が横綱になっている。御嶽海は3回目の
優勝である。豊昇龍は横綱になれるか。
豊昇龍が小結関脇に定着したのは2022年三月場所か
らである。それまでは軽量に泣いたり、強引な攻め
があだとなったりしていた。小結・関脇になっても
ひ弱さか無理な攻めが目立った。安定したのはここ
数場所である。
今の横綱・大関陣は手薄である。そこに豊昇龍が加
わることになる。霧島は新大関の場所負け越した。
おじ朝青龍は3場所で横綱に昇進した。朝青龍の域
に達するのは容易でない。
ただ、無用な敗北を減らしていくことはできる。去
る七月場所は錦木、北勝富士に敗れている。こうし
た敗北をなくすことである。それと早めに2回目の
優勝を果たすことである。
鉄は熱いうちに打て。豊昇龍は横綱を目指す大関で
あってほしい。角番とは無縁で中期決着で勝負をか
けていただきたい。栃木山は言う。大関は関脇・小
結の倍稽古しろ。大関となったらいままでとは意識
も変わる。大関は協会の看板である。看板に偽りあ
りがあってはならない。