千秋楽は協会ご挨拶がある。各段の優勝決定戦及び
各段の優勝の表彰がある。しかし、観客が見たいの
は優勝に関わる一番である。
幕内の後半、3敗の一人北勝富士が登場する。対戦
相手は錦木である。錦木が優勝圏内のうちに対戦さ
せたかった。3連敗中の錦木では勢いが違った。圧
力が違った。最後は北勝富士が引き落とした。これ
で北勝富士は優勝決定戦に駒を進めた。
結び前の一番は3敗同士の豊昇龍と驚異の新入幕伯
桜鵬である。錦木に内掛け、北勝富士と真っ向渡り
合って最後にねばって突き落とした。それだけに豊
昇龍戦はどうなるかわからない要素があった。だが、
勝負は一瞬であった。豊昇龍が立ち上がるやすぐさ
げま上手投でしとめた。観客はあっけに取られると
ともに豊昇龍の底力を見た思いであった。
北勝富士と豊昇龍との優勝決定戦となった。本割で
は北勝富士が勝っている。だが、優勝決定戦では豊
が昇龍終始圧倒し、最後北勝富士を押し出したこの
瞬間豊昇龍の初優勝が決定した。同時に大関昇進が
確定した瞬間でもあった。
優勝は終わってみれば、番付最上位の関脇豊昇龍と
なった。これでよかったと思う。北勝富士の勝ち越
し上位戦は3番だし、伯桜鵬は2番である(阿炎は
負け越し)。豊昇龍はこれまで期待されながら思い
がけない敗戦がつきものだった。
大関貴景勝は全休で来場所は角番である。新大関霧
島は途中出場したものの6勝しかできず、これまた
角番である。豊昇龍は弱体大関陣に一石を投じる存
在であったほしい。またできると思う。