★優勝争いはまったく意外なカタチになった
2敗高安が阿炎に負けたことがすべての始まりだっ
た。阿炎は早々と10日目に3敗して優勝候補とみな
されていなかった。この時点で豊昇龍が1敗だった
から無理もなかった。2敗で高安もいた。終わって
みれば、3敗が貴景勝、高安、阿炎の三つ巴になっ
た。だが優勝決定巴戦は最短の2番で終わった。阿
炎が予想に反して高安、貴景勝に連勝して優勝を決
めた。
★優勝した阿炎について
元々上位に通用する地力はあった。3敗は阿武咲、
錦富士、竜電によるものであった。11日目から若隆
景、王鵬、さらに豊昇龍を撃破していった。阿炎は
上位戦のほうが、思い切って相撲が取れている感じ
がする。巴戦で高安・貴景勝に連勝したのは見事で
ある。阿炎は来場所が大事になる。
★高安はまたしても優勝できなかった
高安は今回が優勝の最大のチャンスだった。優勝は
争っている者同士の対戦に勝利しなくては手中にで
きない。高安はあきらめることなく、挑戦していた
だきたい。高安は混迷の時代の今こそが最大のチャ
ンスなのだから。
★今年6場所優勝者の顔ぶれがすべて変わった
平幕優勝は3場所連続中、12優勝は4場所だから乱
戦の度合いを深めている。優勝候補を場所前にあげ
るなどもはや不可能である。朝青龍や白鵬が絶対強
者として君臨していたころがなつかしく思えてしま
う。
★正代の大関降格で来場所は1横綱1大関になる
弱い大関が降格した結果だが、番付としては寂しす
ぎる。結局若隆景は連続して2ケタあげる力はなか
ったことになる。若隆景の大関は遠のいた。11勝を
あげた豊昇龍は優勝争いのトップにいながら連敗し
たもろさが気になった。
★十一月場所の幻の取組は
まず、三役リーグでは以下である。
・大関同士
貴景勝-正代
・大関対関脇
貴景勝-御嶽海(2場所連続)
・大関対小結
貴景勝-玉鷲
・関脇同士
若隆景―豊昇龍
若隆景-御嶽海
・関脇対小結
御嶽海-玉鷲
上位勝ち越し同士は次である。
霧馬山-若元春
高安-琴ノ若(2場所連続)
高安-翠富士
高安-若元春
明生-翠富士
十一月場所も多かった。流れのなかのいきあたりば
ったりにしか見えない。きちんとした取組方針を打
ち出したほうがいい。
★三賞について
殊勲高安、敢闘阿炎、技能豊昇龍となった。殊勲は
優勝候補を倒したというより場所を盛り上げたとい
うことでは妥当であった。表彰ではトロフィーをき
ちんと渡したほうがいい。トロフィーを渡さない表
彰なんて陳腐過ぎる。
★場所の採点は
68点
最後に一月場所の私製番付を掲載する。幕内は横綱・
大関と対戦する圏内とそうでない範囲と2つある。
基本関脇以下の成績をベースとするが、大関戦勝利
を加えた成績で編成した。