明日のホープ熱海富士が十一月場所で入幕を果たし
た。その素質、素材は下の頃から注目されていた。
四股名からわかる通り静岡県出身だが、生まれは千
葉県である。稀勢の里の生まれは兵庫県だが、出身
は茨城県であった。出身は申告制になっているから
実情とあわないケースはままある。貴ノ花は北海道
生まれの東京育ちだが、出身は青森県だった。
熱海富士と相撲の縁は小学校6年のときの相撲クラ
ブであった。相撲少年でも遅いほうだった。中学で
は2年生から相撲部に入部した。高校は飛龍高校に
進学した。翠富士もこの高校の出身である。1年生
からレギュラーであった。
2020年十一月場所で前相撲。この時点では高校在学
中であった。序ノ口、序二段で優勝した。スピード
出世によって各段1場所で突破して幕下入りした。
幕下では力士の体も技能もある程度できあがってい
る。熱海富士は幕下でも6勝1敗、5勝2敗、6勝
1敗と順調にきたが、4場所目はそうはいかなかっ
た。西幕下筆頭で2勝3敗まで追い込まれた。だが
ここから2連勝して7場所連続勝ち越した。そして
十両入りを決めた。
ここから勢いは止まった。新十両では7勝8敗と入
門後初めて負け越した。そのあと10勝5敗、8勝7
敗、8勝7敗と○6でラッキーな入幕となった。十
両優勝はなかった。このあたりではまだまだなんと
か通用する程度であった。となると新入幕は勝ち越
せば合格と見なければならない。幕内力士との十両
での対戦成績は以下である。
平戸海3敗
輝 1勝1敗
東龍 1勝1敗
竜電 2敗
熱海富士は185センチ、177キロ、右四つ寄りの相撲
である。年齢は20歳で幕内最年少である。体と若さ
を生かした相撲がどれくらい取れるか、十一月場所
は注目される。