十一月場所がだんだん近づいてきている。1年前の
十一月場所、照ノ富士は全勝優勝して新横綱から
連続優勝している。年間最多勝77勝13敗でまさに
充実期であった。照ノ富士に対抗できる力士はいな
い。照ノ富士は何回優勝できるのか。11人しかいな
い3連覇以上の優勝はできるのか。そんな話題に包
まれていた。
ところが今年に入って一転した。三月場所は横綱
初休場。五月場所は優勝したが、苦手大栄翔、玉鷲
などに負けてのスキあり12勝優勝だった。九月場所
は再び休場した。ひざの手術をするというから十一
月場所の出場は難しい。白鵬がやはりひざの手術を
したがリハリビの期間を設けている。白鵬36歳、
照ノ富士30歳から31歳というちがいはある。もう
1点、白鵬は右ひざだが照ノ富士は両ひざである。
相撲は体を支える下半身がポイントになる。出足、
バランスなどには欠かせない。照ノ富士は復帰でき
るのか。万全になるまで休場したほうがいい。中途
半端に出て休場を繰り返すことが最悪である。横綱
は残念ながら1人しかいない。誕生する気配はまる
でない。照ノ富士にはもうひとがんばりして再起
していただきたい。
御嶽海は一月場所優勝して場所後大関に昇進した。
素質・素材からいうと遅くなったが、ようやく大関
に昇進した。それが様変わりした。五月場所負け
越し。カド番で挑んだ七月場所は2勝4敗(不戦敗
含まず)で新型コロナウイルスの感染部屋ごと休場
に追い込まれた。途中経過で負け越していたのだか
ら、カド番が延期されたことは幸運だった。
ところがその幸運を生かすどころか、4勝11敗と
いう大敗で大関の座をあっさり明け渡した。十一月
場所は規定により10勝以上の成績で大関に復帰でき
る。この規定は昭和44年七月場所から施行された。
これまでのべ25人(朝乃山を含む)が大関から降格
して10勝以上の規定で戻ってきた力士はのべ7人に
すぎない。御嶽海は7/25に挑むことになる。
大相撲は暗転し、深刻化してきている。