照ノ富士が10日目から休場した。3勝3敗のときは
休場を回避し、5勝4敗で休場した。この違いは何
なのだろう。早いか遅いかの違いか。決断の迷いから
きたものか。今年に入って2度目の休場である。フル
出場した場所は11勝、12勝優勝、11勝と低空飛行の
成績である。この休場は単なる休場ではない。低迷の
なかの休場である以上、照ノ富士にとって大きな試練
になる休場である。
それにしても照ノ富士の休場で千秋楽結びの一番は
どうなるのか。番付でいうと貴景勝対正代になるの
か。1勝9敗負け越しどころか大敗しそうな正代では
ピンとこない。といって御嶽海でも役者不足になる。
悩ましい千秋楽の結びの一番である。
幕内後半2番目の取組で全勝北勝富士と前頭4枚目
2敗高安の取組が実現した。北勝富士にとっては今場
所初の上位好成績者との対戦である。立ち合い北勝
富士は下からおこしながら果敢に出るが、高安踏み
とどまって、逆襲。圧力と突き落としで、北勝富士は
右膝がくずれた。高安は落ち着いていた。精神的ゆと
りさえ感じた。
1敗玉鷲は6敗大関御嶽海と対戦した。御嶽海に精彩
がないが、この日は気合をみせた。玉鷲を土俵際追い
込んだが、玉鷲すくい投げで逆転した。11日目は1敗
同士で玉鷲対北勝富士戦が実現する。優勝の原則は
優勝を争っている者同士の対戦に勝利することであ
る。大一番になりそうである。
優勝争いは1敗玉鷲、北勝富士、2敗高安、錦富士と
すべて平幕である。横綱・大関は蚊帳の外である。
負け越し大関が複数でかねない流れである。これを
面白いと見るのはしょうがないが、惨めな横綱・大関
の姿は見たくなかった。