幕内はサバイバル戦模様になってきた。といっても
まだ4日目ではサバイバル戦の途中に過ぎない。スタ
ートは悪いが上り調子になることだってありえる。
好調かと思えた玉鷲が佐田ノ海に負けるのだから、
相撲はやってみなくてはわからない。また、一番勝負
なればこそ番狂わせもおこる。
巨体を生かしたパワフル相撲で好調なスタートを切っ
たのが逸ノ城である。対戦相手は大関貴景勝である。
大関と平幕だから大関に分があるとは言い切れない
のが現代大相撲である。貴景勝は逸ノ城の巨体を押し
切れるのか。まず、これが頭に浮かんだ。押し切れ
ないと相撲展開は苦しくなる。
事実そういう相撲になった。貴景勝のあたりに下がる
ことなく組み止めた逸ノ城がそのまま寄って東土俵
寄り切った。髷をつかんだかどうかで物言いがついた
が、つかんでおらず、逸ノ城の勝ちとなった。逸ノ城
は4勝となった。
先場所ともに11勝をあげた大栄翔と隆の勝が対戦し
た。ともに1勝2敗である。突き押し相撲から大栄翔が
果敢に攻めるも、隆の勝しのいで腰にくいついた。
大栄翔正面土俵かろうじてまわり込むと隆の勝は前に
傾いて落ちた。大栄翔は最後かろうじて星をひろっ
た。
3連敗カド番正代は別人のごとき相撲を取った。対戦
相手は小結豊昇龍。とにかく相手の猛攻をしのぐ粘力
をみせるは、闘魂あふれる攻め相撲を取るはで正代
らしからぬ相撲となった。最後ははたき込みで決め
た。やればできると取るか。3連敗ではまだ黒星が
先行しているから安閑としていられないと取るか。
筆者は後者である。
横綱照ノ富士は新鋭琴ノ若にとったりを決めた。照ノ
富士は巨漢のわりにこうした技やたぐる技をみせる
ことがある。照ノ富士が優勝争いの中心となっていく
ためには苦手玉鷲戦、大栄翔戦がカギになる。