10月2日午後1時琴勇輝の引退相撲がおこな
われた。コロナ禍初の引退相撲となった。
観客はいれず、関係者を中心とした興行だっ
た。その関係者に相撲仲間がいた。彼から
写真数枚とメモが送られてきた。そのメモを
見てコロナ禍の引退相撲の姿がみえてきた。
まず、客席は一人マスであった。それも正面、
東西正面寄りの半分だけの使用であった。
向こう正面、東西向こう正面寄り半分は未使
用であった。またたまり席も未使用であった。
断髪の段取りだが、まず、東西のたまり席に
テーブルをおき、そこでアルコール消毒液を
用意する。はさみを入れる方は必ず西で消毒
し、はさみをいれて東で消毒するという流れ
で進行した。こうすることでいちいちはさみ
をかえたり消毒したりする手間をなくした。
またはさみをいれるときはマスクを一時的に
はずした。
この興行は佐渡ヶ嶽部屋だけでおこなって
いるものだが、最初のほうで照ノ富士がはさ
みをいれた。土俵下に段をつくりじゅうたん
で覆い、数多くの女性もはさみをいれた。
終わりに来て親族がはさみをいれた。部屋の
関係者以外では松鳳山、高安、春日山(元勢)、
鳴戸(元琴欧洲)、高田川(元安芸乃島)、
花籠(元大寿山)、芝田山(元大乃国)が
はさみをいれた。そして部屋の力士、親方、
OBがはさみをいれた。そのなかには元琴奨菊
の秀ノ山親方がいた。
止めバサミを前に館内が暗くなり、琴勇輝に
スポットライトがあたった。彼の土俵人生が
しみじみ語られる。そしてついに師匠佐渡ヶ
嶽(元琴ノ若)が琴勇輝の髷を切り離した。
三方に例をした後、家族から花束が贈られた。
琴勇輝の整髪後再び師弟は土俵に上がり、
二人でご挨拶を述べた。琴勇輝の頭は丸刈り
だった。こうして琴勇輝の引退相撲は幕を
閉じた。
残暑の日でした。
興味深いテーマをこれからもお届けします。