初日から4連勝と危なげない相撲を取り続け
てきた照ノ富士。先場所に続き大関正代を
倒し、そして大関朝乃山にも勝っている若隆
景。今場所旋風が吹きあれている。若隆景は
照ノ富士にどういう相撲を取るか。5日目
興味津々の取組である。
相撲はこう展開した。両力士、あたって離れ
ての突き合い、押し合い、探り合い。その
さなか、若隆景の右がはいった。だがその
瞬間、照ノ富士は小手にふってそのまま体を
よせて寄り切った。照ノ富士は終始落ちつい
ていた。若隆景がどうこようとあわてること
はなく、対応した。腰の構えは万全だった。
大関のなかでは一番安定している。
ケガの巧妙という言葉がある。照ノ富士は
ケガをしてから寄り中心の相撲に変化した。
これがひざへの負担が少ない取り口である。
ケガが取り口をいいほうに変えたことに
なる。
琴櫻は足首骨折によって相撲を改造し、ぶち
かましとのど輪で相手をもっていく相撲に
変えていった。千代の富士は投げ中心で脱臼
癖あった。そのため、筋肉でよろいをつけ、
前褌を取って寄る相撲に変えた。それが大横
綱につながった。
隆の勝対御嶽海は両者の地力をはかるには
格好の一番である。このところ隆の勝に分が
悪い御嶽海だが、今日は違った。押されても
押し返し、力と力の相撲になった。隆の勝が
引いて勝負あった。御嶽海我慢の勝利であっ
た。
上位で全勝は照ノ富士、1敗は貴景勝・正代・
高安・御嶽海である。しかし、まだ序盤で
ある。戦いのクライマックスはまだまだこれ
からである。
行きは曇、国技館帰りは小雨、地元はやんで
いました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。