3月31日、番付編成会議および臨時理事会で
照ノ富士の大関復帰が正式に決定した。協会
から高島(元高望山)と浅香山(元魁皇)が
使者として江東区毛利1-7-4(いなし)
の伊勢ヶ濱部屋へ向かった。使者を迎えた
照ノ富士は「謹んでお受けしますと」口上を
述べた。2017年九月場所以来の大関復帰と
なった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210331照ノ富士大関へ-047-e1617169169721.jpg)
長い道のりであった。大関から転落したあと
はあっというまに十両に転落した。元大関が
十両で相撲を取ること自体珍しいことだった。
だが転落の坂はまだ終わらなかった。幕下
から4場所連続休場で番付は序二段まで下げ
た。このとき誰が大関復帰を考えられただ
ろうか。
ゲガと病気との闘いだけになおさらイメージ
できなかった。それだけに不撓不屈とか逆境
との戦いといった言葉では片付けられない
想像を絶する大変な苦闘人生だったと思う。
おそらく今後序二段転落後の大関復帰はあり
えないのではないだろうか。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210331照ノ富士大関へ-148-1.jpg)
大関には、貴景勝、朝乃山、正代がいる。
だが大関で優勝したのは貴景勝が1回きり
である。昨年の七月場所から今年の三月場所
まで彼ら3人の成績は以下である。
貴景勝 45勝22敗8休
正代 45勝20敗10休
朝乃山 44勝19敗12休
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210331照ノ富士大関へ-217.jpg)
これに対し照ノ富士は57勝16敗2休である。
照ノ富士は現在の大関よりはるかに強く、
幕内最強といってもさしつかえない。優勝
回数をさらに伸ばしていける存在である。
技術的には両前褌を取って出る相撲が光っ
ている。御嶽海・正代戦でみせている。これ
にさらに磨きをかけることである。その反面
高安には分が悪く、阿武咲には連敗している。
この辺りは克服しなければならない。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210331照ノ富士大関へ-190.jpg)
照ノ富士はとてつもないドラマを見せてくれ
た。まさに土俵は人生の縮図だ。こんな途方
もないドラマを見せられては、ますます相撲
から離れられなくなる。
伊勢ケ浜部屋前で知り合いに会いました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。