昨日から降った雨はやむことなく、降り続い
ていた。迎えた雨の千秋楽。やはり千秋楽は
特別な日である。進行がいつもより早い。
協会ご挨拶がある。各段の優勝決定戦がある。
各段の表彰がある。そしてこれより三役が
ある。幕内優勝力士の表彰がある。
優勝は後半の取組4番目がカギとなる。単独
2敗大栄翔の平幕8番勝負、最終対戦相手は
隠岐の海である。ここまで7勝7敗と勝ち
越しをかけての一番となる。大栄翔としては
一発で決めたいところである。もつれると
どうころぶかわからなくなる。
相撲は大栄翔が威力ある突き押しで隠岐の海
をいっきにもっていった。最後にすばらしい
文句なしの突き出しで決めた。この瞬間大栄
翔の初優勝が決定した。館内は大栄翔の優勝
を讃える拍手で包まれた。優勝決定直後の
大栄翔の表情を見た。内心はともかく、特別
な表情ではないようにみえた。
注目したのは照ノ富士である。先場所13勝
しているだけにそれを生かすとなったら今日
勝って11勝はほしいところである。対戦相手
は明生である。明生はうまく立って左四つ
食い下がろうとする。しかし、照ノ富士は
明生を根こそぎもっていって、すくい投げで
つぶした。照ノ富士はこれで来場所大関を
かけることになった。
大関同士朝乃山対正代は優勝に関係ない一番
となった。ただし、この一番に勝つことは
意味がある。正代は12番にしておけば、次に
優勝すればつながる成績になる。朝乃山は
前半に負けが目立ったが、ひ弱なイメージを
払拭するためにも11勝にしておきたいところ
である。勝負は朝乃山が果敢に攻めて圧倒
した。ともに11勝で終わった。大関は特別
待遇なのだから横綱不在を生かせなかった
のは反省材料である。
三月場所は非常事態宣言の大阪でやるのか。
東京という非常事態宣言の大元から大集団で
移動ができるのか。疑心暗鬼のなか、協会は
どんな最終判断をするのか。相撲仲間は早く
も心は三月場所に向いている。
千秋楽も雨でした。
興味深いテーマをこれからもお届けします。