4連敗中の貴景勝が同じく4連敗の琴勝峰
相手に押してからの突き落としで1勝した。
押し切った相撲ではなかった。だが、相撲は
まず1勝して流れを変えることを思えばよし
としなければならなかった。国技館内はほっ
とした空気が流れた。
続く朝乃山は栃ノ心の張り手にひるむこと
なく出て寄りきった。栃ノ心は立ち合いから
腰が高すぎた。これでは寄りをこらえられ
ない。栃ノ心の自滅的相撲だった。
1敗正代は宝富士と対戦した。相撲は四つの
展開で宝富士の左差しに正代、体が浮きかけ
たが、最後は体を入れかえて寄り切った。
これで大関は序盤を終えて8勝7敗とした。
貴景勝は6日目阿武咲との対戦である。貴景
勝の試練は続く。正代は栃ノ心と、朝乃山は
宝富士と対戦する。
通常の大関の対戦圏内は前頭5枚目隠岐の海
までである。貴景勝は隆の勝とは同部屋で
対戦がないため、幕内中位以下の好成績者と
対戦するかもしれない。関脇以上との対戦は
終盤になりそうである。そうすると中盤戦で
の大関の対戦はこう予想される。
貴景勝-阿武咲、高安、栃ノ心、玉鷲、遠藤、
隠岐の海
正代-栃ノ心、御嶽海、阿武咲、玉鷲、遠藤、
隠岐の海
朝乃山-宝富士、高安、琴勝峰、玉鷲、遠藤、
隠岐の海
大栄翔と北勝富士が初日から3日間連続で
大関と対戦したのに比べ、玉鷲、遠藤、隠岐
の海は誰一人対戦していない。どうもこの
あたりの取組は極端から極端に走っている
気がしてならない。いつものことかもしれ
ないが、そもそもいつもがバランスが悪かっ
たことになる。
中盤の対大関戦は盛り上がりを欠く恐れは
出てくる。
全敗豊昇龍と全勝明瀬山の対戦は見たくなかった。
興味深いテーマをこれからもお届けします。