大栄翔の突き押し相撲はますますさえわたり、
快調に白星を重ねてきた。6日目は関脇照ノ
富士が対戦相手である。先場所千秋楽本割
では押し相撲の貴景勝を捉え、あびせ倒し
ことがあった。それだけに照ノ富士がどの
ようにつかまえるか、大栄翔がつかまえさせ
ないかがポイントであった。
相撲は大栄翔の真っ向からの押し、下から
上体をおこし、さらにのど輪まで繰り出した。
照ノ富士は防戦一方になり、土俵を割った。
大栄翔の押しは矢継ぎ早に繰り出し、相手の
重心をあげていく相撲である。6日目までで
大関3人小結2人、そして6日目の関脇照ノ
富士と対戦した。1敗正代とは対戦済みなの
だから盛り上がりようがない。
7日目は関脇隆の勝戦である。大栄翔は7日
目で早くも三役戦をすべて終えることになる。
この後中日以降では北勝富士・宝富士・阿武
咲・玉鷲戦を残している。場合によっては
明瀬山、明生と組まれるかもしれない。下位
は三役より強いとは思えない。
押し相撲の先人に大受がいる。大受は立ち
合いから当たって一気に押すというより、
左右からじわじわとおっつけながら押すタイ
プであった。昭和48年七月場所、大関昇進
直前の場所は大受の押しを止めるのは容易で
なかった。馬力で横綱琴櫻が、前褌を取って
横綱輪島が止めた。現代は前褌を取りにいく
相撲はほとんど見られない。
大受はこのとき史上初の三賞独占を成し遂げ
た。大栄翔は今場所どこまでやるか。誰が
大栄翔を止めるか。場所はまだ9日間ある。
KW氏と観戦。さしいれ(館内は飲食禁止
で厳守)いつも本当にありがとうございます。
興味深いテーマをこれからもお届けします。