年6場所制が始まるとき、元栃木山の春日野
はこう言った「先場所の優勝者が今場所の
優勝候補になる」と。年2場所のときは実力
が番付以上になることがあった。だが6場所
では間隔が短くなるので急激な実力アップは
望めず、先の発言になった。
しかるに先場所優勝の貴景勝は2連敗スター
トとなった。2日目の対戦相手は大栄翔で
ある。共に押し相撲。しかし、貴景勝の押し
に威力がない。リズムがない。もたもたして
いるうちに大栄翔のはたき込みを食ってしま
った。
貴景勝は今場所優勝すると横綱とう声があっ
た。横綱昇進基準第1項には品格力量抜群と
ある。品格力量抜群とはどれほどの力量か。
それは時代を築けるほどの力量である。貴景
勝に時代を築けるほどの力量は見えてこない。
貴景勝は7勝-8勝-12勝-13勝優勝-?で
きた。7勝-8勝は気になる。一定の好成績
が望めないことを示唆している。今実力横綱
がいないからといって横綱を急いでつくら
なければ、という気運はない。品格力量抜群
の横綱がいなければ欠いてもかまわない。
それが横綱のあり方である。
そいう意味で鶴竜は品格力量抜群であった
ことはない。年間最多勝を取ったことさえ
ない。今はいたずらに休場ばかり繰り返して
いる。そんな鶴竜に万全に近い状態で、本人
が納得できる体調で出場させてあげたいとは、
まったく思わない。
七月場所2日目から休場して何カ月経った
のだろう。その間鶴竜は何をやっていたのか。
約5カ月半経ってできないことが、35歳鶴竜
に万全に近い状態と納得できる体調は急に
できるとは思えない。鶴竜はとっくに限界
なのである。
貴景勝は、3日目は北勝富士戦である。
大関時代(関脇降格場所を含まない)、対戦
成績は3勝4敗と負け越している。2連敗で
屈しない貴景勝の精神力をみたい。
大阪場所は実現するのか。
興味深いテーマをこれからもお届けします。