杉山桂四郎氏はかつて大関を受難の中間管理
職に例えた。下位からは突上げられ、横綱
からは頭をおさえられる存在だった。しかし、
横綱は休場中。頭をおさえられる存在では
ない。出場したとしても番付上の横綱でしか
ない。それでも下位からは突上げられている。
いや、突上げられすぎである。
3勝6敗。これが3日目までの大関の成績で
ある。とても大関の数字とは思えない。それ
だけではない。3日目はなんと3大関がそろ
って敗北したのである。
まず、正代。対戦相手は2大関を倒して好調
の大栄翔である。相撲はこう展開した。大栄
翔の突き押しが正代に炸裂した。正代上体
が反り、はたきに出て呼び込んでしまった。
大栄翔がそのまま突き出した。完敗である。
正代の強さは相手によりけりというところか。
貴景勝は押し切れない。もつれる相撲の中で
相手の技が決まる。北勝富士戦も敗戦のパタ
ーンにはいってしまった。勝負はもつれる
なかで貴景勝の膝がくずれた。貴景勝は迷走
している。朝乃山は九月場所3敗から10連勝
している。貴景勝にはこのまま終わっては
いけない。大関の意地を見せていただきたい。
朝乃山は御嶽海の一直線の出足に何もでき
ずに土俵を割った。場所前朝乃山は優勝を
目指すと言った。その意気込みはいいが、
稽古は伴っていたのか。自信は稽古でしか
生まれない。
栃木山は、大関は三役の倍稽古しろ。横綱は
大関の倍稽古しろと言っていた。大関になっ
たら稽古の裏づけがないと地位にふさわしい
成績はあげられない。たとえコロナ禍であっ
ても同様である。大関はそれだけの待遇を
受けているのだから巻き返しに転じていた
だきたい。
雪が降らなくてほっとしました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。