千代大海は関脇のとき13勝2敗で優勝して
大関に昇進した。それも横綱3代目若乃花
相手に千秋楽、本割、優勝決定戦を制しての
逆転優勝だった。それが大関になったとたん
勢いが失われた。大関2場所目で早くも公傷
である。大関の公傷第1号は朝潮だが、最も
適用した大関が千代大海で4回だった。
武蔵川(元三重ノ海)部屋の武双山は大関
2場所で地位を明け渡している。関脇に落ち
て10勝して大関に復帰したものの、もう一つ
ぱっとしない成績が多かった。武蔵川部屋
からはほかに出島、雅山と大関が誕生したが、
いずれも大関を陥落している。
魁皇は好スタートを切った。このあと千代の
富士の通算勝利数を抜いたり、大関在位60場
所の最多在位記録を達成したりすることは、
このとき想像できなかった。
栃東は新大関の場所でいきなり優勝している。
最高位大関の中では若羽黒、清國についで
3人目である。しかし、そのあとが続かなか
った。栃東は大関で3回優勝しているが、
「好成績を持続していくのは実に大変なこと
です」と語っている。
貴乃花は新大関のとき貴ノ花、若乃花は新大
関のとき若ノ花であるが、便宜上貴乃花、
若乃花で通すことにする。
曙は大関3場所目に優勝している。これが
横綱に直結する優勝であった。曙が横綱に
なったことで、横綱不在は解消された。
貴乃花は大関2場所目で優勝しているが、
これが3回目の優勝となった。翌場所は横綱
曙、関脇若乃花と13勝2敗で巴戦になった。
曙の爆発力が凄まじく、若貴兄弟を粉砕して
いる。これによって貴乃花の横綱は先になる
ことになった。
武蔵丸は大関3場所目の優勝を全勝で飾って
いる。このときは大関若乃花とマッチレース
だった。ともに12日目までに全勝。13日目
両大関の直接対戦となった。武蔵丸が勝って
その後も勝ち続け優勝した。若乃花は14勝
1敗で惜しくも及ばなかった。
(この項目続く)
上村松薗の画集を眺めています。。
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