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悲劇に包まれた相撲界

衝撃のニュースが飛び込んできた。新型コロ
ナウイルスで入院していた現役力士が13日
午前0時半に亡くなられたのである。死因は
新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全
であった。その力士は勝武士で、28歳という
若さであった。勝武士は高田川(元安芸乃島)
部屋所属、三段目82枚目、土俵歴は約13年に
及んでいた。初っ切りによく登場していた
から覚えている方もいるのでは。相撲界から
初の帰らぬ人が出てしまい、はかりしれない
ほどショックで痛々しく、悲しい知らせになっ
てしまった。

<在りし日の勝武士>

それにしても4月4日から5日に発熱して
から、師匠たちが保健所や病院に電話したが、
まったくつながらなかったという。近隣の
いくつかの医療機関に相談するも、みつから
なかった。血痰が出るに及んで救急搬送と
なったが、それでも受け入れ先はなかなか
みつからなかった。大学病院に入院できた
のは、発熱から4日経っての夜であった。

もっと早く治療がおこなわれていれば悲劇は
なかったのでは。こうした治療の遅れが死期
を早めたのではないか、とつい思ってしまう。
それは医療現場が逼迫していたとしても、
どうにもおさえられない感情である。また、
勝武士が糖尿病を患っていたことが、影響
した、という指摘がある。疾患があると死亡
リスクが高まるというのである。

<スポーツ報知の記事>

それにしても糖尿病は勝武士一人ではないと
いう。食事前にインスリンをうつ光景は珍し
くないという。本来健康体であるはずの力士
が、これではいけない。現代は重量級大相撲
の繁栄期である。鍛錬も大事だが、栄養学的
視点から食生活を見直す時期にきているので
は、ないだろうか。体重過多は万病の元で
ある。

新型コロナウイルスで 亡くなられた方は、
まともな葬儀すらできない悲惨さがあった。
遺族は、対面はおろか、火葬場にも行けない
という。新型コロナウイルスの恐ろしさが
ひしひしと伝わってくる。また、大相撲の
通常興行の収入をゼロにするのだから、シビ
アに生活を脅かしている。

<初っ切り 勝武士(右)と大野城>

部屋生活、稽古は常にリスクとの隣り合わせ
である。協会は希望する協会員の抗体検査を
おこなうという。狙いは団体生活での不安を
取り除くことである。新型コロナウイルス
との戦いはまだまだ終わらない。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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