大相撲

豊ノ島の相撲人生4

アキレス腱切断によって、幕内、十両と2場
所連続全休となって番付は一気に幕下まで
落ちた。先人でアキレス腱切断を経験した
龍虎は土俵上でのケガだった。その場所途中
休場したあと幕内、十両、幕下と3場所連続
全休している。豊ノ島は2016年十一月場所
幕下で土俵に復帰した。その場所は○彩、
●貴源治らと対戦し、4勝3敗とのりきった。
明けて2017年一月場所は○明生、●石橋(の
ちの朝乃山)らと対戦し、6勝1敗と大勝ち
して十両復帰は近いかと思わせた。龍虎は
再出発後、幕下3場所で十両復帰を果して
いた。しかし、豊ノ島はそうはいかなかった。

<2017年1月石橋(左)(=朝乃山)戦>

2017年三月場所前の稽古でふくらはぎを痛め
た。豊ノ島の苦闘が始まった。幕下で1勝
5敗1休。幕下2枚目から19枚目に下がった。
ここからとてつもなく、長い戦いになった。
幕下以下はフル出場した場所手当のみで、
無給である。家族がいる豊ノ島は生活との
戦いもあった。2017年後半3場所は勝ち越し
たものの、2018年一月場所は左ふくらはぎ
負傷で、0勝3敗4休。大きく番付を落とす
ことになった。

しかし、ここから驚異の巻き返しに出た。
三月場所、琴鎌谷(のちの琴ノ若)に勝って
6勝1敗。五月場所、七月場所と5勝2敗。
迎えた九月場所、幕下西筆頭と十両を狙える
位置まで戻した。この場所、豊ノ島は快調に
4連勝。1敗こそしたものの6勝1敗の好
成績で十両復帰を決定的にした。幕下は2年
に及んでいた。35歳になっていた。

<2018年3月 琴鎌谷(左)(=琴ノ若)戦>

十両に復帰した豊ノ島の好調は続いた。11勝、
10勝と連続2ケタであっという間に幕内復帰
を果した。2019年の三月場所のことであった。
だが、幕内では勝てなかった。5勝10敗で
たちまち、十両落ちとなった。5度目のこと
であった。東十両筆頭で8勝7敗と勝ち越し
て5度目の幕内を果した。そしてこれが最後
の勝ち越しとなった。

36歳を迎えた七月場所、千秋楽に千代大龍に
負けて惜しくも7勝8敗に終わった。翌九月
場所はまたもケガが豊ノ島を襲った。アキレ
ス腱周囲炎で10日目から途中休場になった。
この場所は1勝で終わった。6度目の十両
落ちになった。十一月場所は6勝9敗。明け
て2020年一月場所は4勝11敗と大敗した。
もはや勝てなくなっていた。

<2019年9月 幕内最後の勝利大翔鵬(左)戦>

番付はまたも幕下となった。無観客開催と
なった三月場所。ファンに見守られることも
なく相撲を取った。2勝5敗であった。場所
が終わって時間が経過した4月17日引退を
発表した。負け越した時点で決意はしていた
という。今回は周囲も豊ノ島の引退を尊重
した。「現役生活18年、今まで本にあたた
かい声援ありがとうございました」と語った。
豊ノ島は多くの生き方を示して、土俵を去っ
ていった。

(この項目終わり)

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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