昨年五月場所入幕した小兵炎鵬は三月場所で
1年経過した。体重は100キロ未満で重量級
力士と対戦するのだから、注目は最大級で
ある。それでなんとか健闘するのである。
人気がでて当然である。いつの時代も人気
力士はいる。古くは双葉山、土俵の鬼若乃花、
その弟貴ノ花、その息子若貴がいる。炎鵬は
彼らとはいささか異なる人気である。
炎鵬の入幕初日は徳勝龍であった。十両時代
は2勝2敗であるが、白星で飾った。のちに
徳勝龍が平幕優勝することは、誰も予想でき
なかった。徳勝龍が優勝した翌場所再び対戦
したが、紙一重で勝っている。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/190512初日幕内-375-e1586919596688.jpg)
新入幕の場所は7勝2敗と順調に白星を重ね
ていった。だが、ここからの1勝が遠かった。
5連敗で7勝7敗となった。千秋楽は松鳳山
戦であった。熱戦空しく、惜しくも及ばなか
った。その後も炎鵬は松鳳山に勝てなかった。
4連敗をきっしている。炎鵬が松鳳山から
初勝利をあげたのは今年の一月場所であった。
ほかに幕内で4番以上対戦している力士は、
佐田の海と阿武咲がいる。対戦成績はともに
2勝2敗である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/190721千秋楽表彰-1074-e1586919645886.jpg)
新入幕の場所こそ負け越したが、翌場所は
9勝をあげ、技能賞を獲得した。技の相撲が
評価されたのである。重量級大相撲全盛の
時代、本当の意味で技の相撲は希薄になって
いただけに価値があった。
初の上位は今年の一月場所であった。大関
豪栄道、関脇朝乃山、遠藤を倒しての勝ち
越しであった。上出来の内容であった。だが、
技能賞は星数にこだわるという悪習で受賞
できなかった。三賞は本来相撲内容を評価
すべきはずである。問題は勝ち方であり、
同時に負け方なのである。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/200120九日目幕内-1160-e1586919663497.jpg)
三月場所、研究された炎鵬は苦戦の連続で
あった。豊山はあわてず、ふところにいれず、
じわじわと圧力をかける相撲に徹した。目下
3連敗中である。こうした取り口に上位では
ほとんど勝てなかった。6勝9敗で一時後退
となった。ここからどういう炎鵬をみせて
くれるのか。25歳炎鵬の可能性はまだ広がる。
九月場所の日程はどうなるのか。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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