大関を 目指す朝乃山、両横綱が順調に白星を
重ねるなか、貴景勝がどうもピリっとしない。
豊山を攻め切れず、逆襲にあうとこらえきれ
ずに土俵を割った。これで5勝4敗である。
10勝どころか勝ち越しさえ危うい成績、相撲
内容である。貴景勝の立ち合いからのあたり
が対戦相手に脅威を与えるほどの威力がない。
二の矢の攻めも、もたもたした取り口である。
これでは勝てない。
今の貴景勝は横綱を予感させる要素はない。
大関にはいくつかのタイプがある。まず、
時には横綱以上の存在価値を発揮する大関 。
もうひとつは大関昇進時の勢いが失われ、
1ケタ勝利に終始するタイプである。今の
貴景勝は後者にはいりつつある。
たった一人の大関が存在価値を示せない現状
は、深刻である。ベテランの域ではなく、
若い大関だけにどこか悪いのではと思って
しまう。健康上の問題があったとしても、
その理由をいくら言い立てても相手には勝て
ない。と言ったのは力道山である。
両横綱が休場した先場所、本来なら貴景勝が
優勝してもおかしくなかった。それが平幕
正代・徳勝龍に敗退するようでは期待でき
ない。それが貴景勝の実態なのである。
明日10日目は関脇正代戦である。今後予想
される対戦相手は阿炎、関脇朝乃山、横綱
鶴竜・白鵬と強敵ぞろいである。場合によっ
ては平幕中位以下の好調力士が組まれる可能
性がある。無観客開催場所は貴景勝にとって
10勝どころか、勝ち越しさえ微妙な場所に
なりそうである。
【大相撲写真館】
寒さを感じる1日でした。
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