一月場所は、大関に関して2つのことが明ら
かになった。1つはカド番の豪栄道が大関を
守れず、引退したことである。もう1つは
大関復帰を目指す高安が10勝どころか、負け
越したことである。これで元大関は琴奨菊、
照ノ富士、栃ノ心、高安の4人となった。
これほど元大関が現役として番付に名を連ね
ていることは珍しい。改めて元大関の経緯、
現状をみていこう。
<琴奨菊>
琴奨菊が10年ぶりに日本出身の優勝者となっ
たのは、4年前の2016年の一月場所であった。
それが1年後の2017年一月場所に大関陥落が
決定した。その直後の関脇では9勝6敗で
1勝足りずに大関復帰はならなかった。元
大関としては既に18場所を経過した。成績は
129勝137敗4休である。最近は5場所連続
負け越しで番付を下げ続けている。1月30日
に36歳になった。十両陥落はないのか、今後
が気になる琴奨菊である。
照ノ富士は大関時代1場所おきにカド番を
繰り返している時期があった。それが稀勢の
里の新横綱場所で優勝決定戦をして、照ノ
富士復活かと思わせた。だが、4場所後に
大関の地位を明け渡した。2場所とも途中
休場だった。だが、休場は4場所続き、1場
所皆勤後5場所連続休場して、番付を序二段
まで下げた。元大関が十両で取ることさえ、
珍しいのだが、ここまで番付を下げた元大関
は前代未聞である。
<照ノ富士>
照ノ富士のその後は以下で、5場所かかって
十両に戻った。休場場所を含め、1年半の
無給生活をようやく脱出した。
2019年
三月 序二段48 7勝
五月 三段目49 6勝1敗。
七月 幕下59 6勝1敗
九月 幕下27 6勝1敗
十一月幕下10 7勝優勝
一月場所では十両優勝した。現在6場所連続
好成績である。三月場所は十両上位が予想
される。28歳でまだまだ取れるし、次の目標
は幕内復帰になる。
<栃ノ心>
栃ノ心は14勝優勝-10勝-13勝とりっぱな
成績で大関に昇進した。しかし、大関では
実績を残せなかった。最初の大関は5場所
しか務まらなかった。降格した関脇でまさか
の10勝をあげ、大関に復帰した。だが、復帰
後の大関は2場所しかもたなかった。その後
は途中休場と負け越しが続いている。32歳と
前途は厳しそうである。
<高安>
高安は玉鷲戦での肘の負傷が影響している。
3場所連続途中休場、(1場所は勝ち越し後
休場)。関脇に落ちた一月場所では、10勝
どころか、負け越した。大関復帰は容易で
ない道となってしまった。前記3人は優勝
している。高安はまだない。大関時代は優勝
待望の機運があった。今は誰が優勝しても
不思議ではない時代である。平成生まれ最初
の幕内力士は三月場所で30歳を迎える。金星
のチャンスでもある。奮起せよ高安。
悪戦苦闘の1日でした。
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