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幕内横綱・大関対戦圏外の好成績者 6場所制系統別2

大鵬は第一人者の道を歩まんとしていた。
時代は新しい英雄を誕生させようとしていた。
年6場所2A
昭和36年五月場所、上位は総崩れであった。
横綱若乃花・柏戸10勝5敗、横綱大鵬11勝
4敗であった。そんななか浮上してきたのは、
入幕3場所目前頭13枚目の佐田の山であった。
佐田の山の対戦相手は小結1番、平幕13番、
十両1番であった。その十両力士清ノ森に
4日目、負けているのである。幕内優勝力士
は十両力士より弱い、といわれた。
佐田の山の千秋楽の対戦相手は小結冨士錦で
あった。兄弟子から「突っ張ってはたけ」と
いうアドバイス通りの相撲を取って優勝を
決めた。ところが、翌場所の冨士錦戦では
「負けてやれ」と言われた。自分の知らない
ところでなにかが動いたことを悟り、青年
佐田の山は相当ショックを受けたというエピ
ソードが、本に記されて伝わっている。

佐田  の山
<佐田の山>

昭和36年九月場所、大関大鵬・柏戸、平幕の
明武谷が12勝3敗となり、優勝決定巴戦と
なった。明武谷に横綱・大関戦はない。終盤
小結冨士錦、関脇栃ノ海戦が組まれたが、
勝ち抜いている。最終的に大鵬が優勝して
横綱昇進を決めた。柏戸の大関時代の勝率
(0.771)が大鵬(0.773)とそれほど変わら
ないという理由で、柏戸の横綱昇進も決まっ
た。

明武谷
<明武谷>

よく同時昇進という言葉を使うが、□時○分
△秒まで一致する同時昇進は物理的にあり
得ない。連続優勝の大鵬が最初に決まった
と見るのが常識で、正確には「同日昇進」で
ある。
戦後の系統別では立浪部屋と分家の時津風
部屋の対戦はなかった。高砂の分家である
井筒部屋であるが、本家分家の意識は明治末
ごろ芽生えたという。したがって高砂と井筒
に本家、分家意識はない。東西制でも対戦が
あるし、朝汐(高砂)と鶴ヶ嶺(井筒)は
対戦している。ところが井筒部屋は一時時津
風部屋に併合された関係で、時津風と井筒の
対戦はなかった。ただし、立浪と井筒は対戦
した。
昭和38年十一月場所、出羽錦が途中休場(途
中から再出場)、時津風系が上位に5人、
立浪が3人となった。その結果前頭6枚目の
海乃山と大関豊山・北葉山(ともに時津風
部屋)が組まれることになった。
昭和39年、横綱大鵬と前頭13枚目の清國は
初日から14連勝。史上初の15戦全勝同士の
優勝決定戦か。と騒然となった。清國は平幕
13番、小結海乃山を経て、千秋楽は関脇大豪
(前名若三杉)と対戦したが、ここで敗退
した。大鵬が全勝で12回目の優勝を決めた。
富士錦
<富士錦のブロマイド>

昭和39年七月場所、千秋楽をむかえ、優勝は
1敗の前頭9枚目の富士錦と2敗の大関豊山
の争いになった。富士錦は平幕が13番、関脇
羽黒川(前名羽黒花)と対戦していた。千秋
楽は関脇北の富士戦だったが、勝って優勝を
決めた。豊山は横綱1番、大関2番、関脇1
番と対戦して13勝をあげながら、理不尽な
取組編成に泣いた。

10連休の夢の跡。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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