明後日から九月場所が始まる。猛暑の七月
場所からみるといくぶん過ごしやすい季節に
なってきた。それだけに、力士は思う存分
力を発揮しやすい環境になってきたといえる。
九月場所の展望というと通常優勝争いから
入っていくのだろうが、場所最大の見所は
別にある。それは8場所連続休場の稀勢の里
である。進退をかける場所だけにいっそう
注目が集まる。今までで一番いい状態とは
いえ、どうしても不安が期待を上回ってしま
う。序盤、どんな相撲を取るか、とともに
星数が気になる。2敗すると苦しい。前半
3敗だと危うい。どんな展開になり、どんな
結末を迎えるか。九月場所最大の焦点になる。
優勝争いだが、現代は絶対的強者がいない。
横綱が途中休場するという読みきれない展開
が七月場所だった。へたをすれば繰り返す
恐れがある。白鵬は今年に入って1回も優勝
していないだけに、ここらあたりでという
思いはあるのだろうが、年齢は33歳である。
ただ、幸か不幸か白鵬を脅かす存在はいない。
栃ノ心がどれだけ回復しているか。栃ノ心が
優勝争いに加われば場所は面白くなる。
七月場所、3横綱は不在だったにも関らず、
豪栄道・高安の両大関は優勝争いすらでき
なかった。これでは名ばかり大関、耐えられ
ない存在の軽さといわれてもしょうがない。
それでも大関としての厚遇を受けているのだ
からどうしようもない。
御嶽海の大関昇進はなるか。最近は大関に
挑んで失敗というケースはない。琴奨菊が
3場所32勝で翌場所にもちこしたことはあっ
たが、決めている。豪栄道は大関をかける
場所ではなかったが、急遽場所後に昇進した。
古くは麒麟児(後の大麒麟)が2度失敗して
3度目に大関に昇進した。御嶽海にとって
失敗は9勝以下の場合である。10勝なら十一
月場所につなげられる。だが、先場所優勝の
実績を生かし、ここは一気に決めたいところ
である。
先場所高安を倒して躍進した豊山が上位に
戻ってきた。最初の上位戦、星はあがらなか
ったが、内容は健闘した。稀勢の里戦は初め
てになる。前回敗れた鶴竜、白鵬、豪栄道、
栃ノ心、御嶽海からどれだけ白星を奪えるか。
変身豊山も見所の一つである。
九月場所のチケットは発売初日に売り切れた。
それに応える熱戦が繰り広げられることを
ぜひ期待したい。
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よしなに
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