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2ケタ勝利の新入幕力士1

今年(平成30年)に入って一月場所で新入幕
の阿炎と竜電が10勝5敗で敢闘賞を受賞した。
五月場所は同じく新入幕の旭大星がやはり
10勝5敗で敢闘賞を受賞した。新入幕力士の
10勝以上は敢闘賞への登竜門のイメージが
ある。
そこで新入幕力士で10勝以上あげた力士を
調べてみた。15日制が定着したのは、昭和24
年夏場所からである。10勝以上あげた新入幕
力士は70人いる。ちなみに昭和24年の新入幕
甲斐錦から平成30年五月場所の新入幕旭大星
まで新入幕力士は542人いる。2ケタ勝利を
あげた新入幕力士は12.9%に過ぎない。100人
の新入幕力士に対してわずか約13人しかいな
いのである。新入幕で2ケタ勝つことは、
かなり難しいことなのである。
新入幕1A
10勝以上あげた新入幕力士のうち、三賞を
受賞できた力士は54人、できなかった力士は
15人である。三賞受賞率は78.3%と高率で
ある。しかし、絶対ではない。
若の花
<若ノ花のブロマイド>

新入幕敢闘賞受賞力士第1号は若ノ花である。
昭和25年春場所、11勝4敗で受賞した。しか
し、後が続かなかった。昭和20年代は特に
三賞を受賞できない力士が目につく。11勝
4敗で三賞なしは常ノ山と信夫山だけである。
昭和28年秋場所成山が新入幕で技能賞を受賞
した。昭和20年代、新入幕10勝以上力士は
敢闘賞という考えが希薄だったと思われる。
昭和30年代に入り、新入幕10勝以上がかなり
評価されてきている。特筆すべきは昭和35年
一月場所の新入幕大鵬である。大鵬は初日
から11連勝と快進撃。大鵬の止め役に小結
柏戸が抜擢された。若さをぶつけ合ったこの
一番は柏戸が最後下手出し投げで勝利した。
大鵬はこの後も関脇出羽錦、北葉山と対戦し、
12勝3敗で敢闘賞を受賞した。しかし、賞
以上に目を奪われたモノがあった。それは
大鵬の素質、将来性に無限の可能性が感じ
られたことであった。

(この項目続く)

大鵬ロマイド
<大鵬のブロマイド>

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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