鶴竜と栃ノ心の全勝対決が結びで実現。地位
も対戦成績もはるかに上の鶴竜が、危なげ
なく寄り切った。今の鶴竜は充実している。
結果論だが、思い切って十一月場所を全休
したのがよかったと思う。稀勢の里が中途
半端に出場して、結果を出せずに苦しんで
いるのとは対照的である。伝え聞くところに
よると「神はのり越えられない試練は与え
ない」という言葉が鶴竜を勇気づけていると
いう。
鶴竜に対抗するのは大関ではない。豪栄道、
高安はどうしても安定感に欠ける。本来大関
は優勝争いをし、時には横綱以上の存在価値
を示す立場である。大関の優勝は平成28年
九月場所の豪栄道以来でていない。平成20年
代の大関止まりの大関の優勝は、琴欧洲、
把瑠都、琴奨菊、豪栄道と1度だけである。
もっとも杉山桂四郎氏は、昭和の名大関は
清水川一人と断言していた。それは平成でも
変わらない。

<H29年5月 鶴竜を圧倒する御嶽海>
昨年6場所すべてを勝ち越した御嶽海がここ
まで全勝できた。貴景勝、阿武咲、北勝富士
を退け、予想をはるかにこえる快進撃である。
これからは御嶽海にとって未知の領域になる。
明日は逸ノ城戦。今後は鶴竜、両大関戦、
栃ノ心、正代、遠藤あたりになる。今の横綱
は30歳以上で、今後多くを望めない。今期待
される大関は、横綱になれる大関である。
今場所は日馬富士が去った土俵である。加え
て第一人者の白鵬、日本人横綱の稀勢の里が
相次いで休場し、場所が盛り上がりにくい
条件がそろってしまった。それは、今後も
あり得ることかもしれない。それだけに、
新しい英雄の出現を一刻も早く待望してい
る。
嘉風の肉筆手形が複数出てきました。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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