日馬富士問題の陰に隠れているが、鶴竜、
稀勢の里の置かれた立場は非常に追い込まれ
ている。両横綱とも今年1年は休場に終始
した。これ以上の休場は許されないところ
まで来ている。横綱は休場しても落ちない
不可思議な地位である。それだけに、不成績
なら引退しか道はない。
稀勢の里は三月場所こそ新横綱として優勝し、
皆勤した。しかし、13日目の日馬富士戦で
土俵下に転落したさい大ケガをした。この
ケガを絶えず引きずって勝てなくなった。
無理に出場しては、負けが込んで休場を繰り
返している。しかし、その繰り返しはいつ
までも許されない。
<H29年十一月場所9日目
宝富士の下手投げに屈する稀勢の里>
こんなとき先代の師匠元隆の里ならどんな
アドバイスをするのだろうか、と考えてしま
う。今の稀勢の里には適切な指導者が必要で
ある。それも元横綱である。稀勢の里の孤独
な戦いだけではこのピンチを突破できない。
一月場所は出場するか否かはわからない。
稽古で自信をつけて土俵に立つことが、今の
稀勢の里に一番求められる。
全休を経て、十一月場所は出場と思われた
鶴竜は、またも休場した。今年1年、鶴竜が
皆勤したのは三月場所のみである。それも
10勝5敗であった。全休2場所、途中休場
3場所、まさに休場ナンバー1の1年であっ
た。鶴竜は一月場所こそ待ったなしである。
<H29年七月場所3日目
北勝富士に完敗した鶴竜>
幕内上位にはパワー相撲がそろう。御嶽海、
阿武咲、貴景勝、玉鷲、北勝富士など彼らの
突き押しは、技巧相撲だけでは対抗できない。
「鶴竜の引きは負けを呼ぶ」は定着してしま
った。彼らにしてみれば、いかに鶴竜に引か
せるかが、狙い目となる。鶴竜も稽古で自信
をつけない限り、この窮状をのりきることは
容易でない。
4横綱は消滅し、現在は3横綱である。しか
し、一月場所の展開次第ではさらに消える
恐れが出てくるかもしれない。
甘酒が美味しい季節になりました。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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