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4横綱のゆくすえ

稀勢の里の横綱昇進で久々に4横綱が勢ぞろ
いする。しかし、賢明な読者は、4横綱時代
がけして華麗な時代でないのにお気づきだと
思う。土俵の目撃者では、昨年「検証!4横
綱の時代」を、総括を含めて10回にわたって
連載した。そこでは様々な問題点が浮上した。
170205トーナメント 670A
<新横綱稀勢の里>
 
まず、4横綱が皆勤することはまれである。
これまで横綱が実質地位化された常陸山以降、
4横綱は71場所ある。皆勤はそのうちわずか
14場所にすぎない。2割弱である。1横綱、
場合によっては複数の横綱が休場するのが
当たり前なのである。
もう1つ。4横綱時代はそんなに長く続か
ない。4横綱時代はこれまで15例あるが、
平均4.7場所しかない。最長は14場所続いた
千代の山、鏡里、吉葉山、栃錦である(皆勤
は1場所)。しかし、2ケタ以上続いたのは
わずか2例にすぎない。4横綱時代は短命で
終わる。4横綱時代は当然ながら、引退と
ともに消滅する。
170120十三日目十両幕下以下 1082
<優勝37回の白鵬>
 
さて、白鵬、稀勢の里、日馬富士、鶴竜の
4横綱時代は、どんな数字を残すか。いつ
まで続くか。まず、3横綱の時代をみてみる。
3横綱時代は17場所続いたが、皆勤は9場所
である。ただし、3横綱がそろって12勝以上
をあげたことは1度もない。この間の横綱の
休場をみると白鵬2回、日馬富士4回、鶴竜
4回である。3横綱時代も華麗な時代とは
言いがたい。

160107奉納土俵入り 058
<一月場所途中休場した日馬富士>

そうなると、現代の4横綱においても、皆勤
はそう多くを期待できない。まして現代の
4横綱がそろって12勝以上あげるのは皆無に
なる恐れさえある。それでは4横綱はどの
ようにして終焉を迎えるか。最年長は日馬
富士である。日馬富士は今年の4月中旬に
33歳になる。しかし、相撲通の間では今年
32歳になる鶴竜が先に引退するのでは、と
いう見方がある。それというのも鶴竜は、
第4の横綱の印象強いというのが理由だと
いう。
白鵬、稀勢の里、日馬富士、鶴竜は三月場所
以降再び4横綱の歴史をつくらんとしている
が、冷静な目で見たほうがいいのかもしれ
ない。
150721十日目幕内 133
<優勝の後途中休場した鶴竜>

2月が一番寒い。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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