九月場所、白鵬が全休したことで、あと3勝
で届く通算1000勝を次の場所に持ち越すこと
になった。ただ、通算記録は積み重ねであっ
て、勝率や優勝率と違って減ることはない。
白鵬なら通算1000勝はおろか、魁皇の通算
1047勝の最高記録を抜く可能性さえある。
これまで通算1000勝を達成した力士は2人。
千代の富士と魁皇である。年6場所ならでは
の記録で、いかに強くても年2場所時代では
届かない。

<通算1047勝の魁皇>
それでは千代の富士、魁皇、白鵬はどのよう
に白星を重ねてきたのか。地位別に示した
成績が以下である。

出世のスピードは白鵬が抜きに出ている。
千代の富士は下のころは無理な投げが多く、
脱臼がたえなかった。入幕しながら、幕下に
まで陥落したことさえあった。後世、あれほど
の横綱に出世することは、当時想像できなか
った。史上初めて通算1000勝を突破したのは
千代の富士であった。この点は大鵬も北の湖
も及ばない。千代の富士が彼らより長い36歳
直前まで相撲を取ったことが大きい。記録は
1045勝であった。

<通算1045勝の千代の富士>
これを超えんとしたのが大関魁皇である。
魁皇は千代の富士を上回る39歳直前まで相撲
を取った。千代の富士の記録をわずかに上回
る1047勝して、その場所中に引退した。大関
止まりながら、場所数は千代の富士より3年
近い17場所上まわったことが大きい。これに
迫らんとするのが、白鵬である。白鵬の特徴は
休場が少なく、負けも少ないことである。以下
をご覧いただきたい。

場所数、勝率、勝敗差とも白鵬が抜群である。
千代の富士・魁皇に大差をつけている。通算
勝率が8割を超えることなど、今後ないので
は。勝敗差は現在790である。800越えも可能
である。千代の富士と白鵬の違いは、勝ち星
の横綱に占める割合である。千代の富士が
59.8%に対し、白鵬は71.1%である。白鵬は
出世が早く、大きな挫折もなく、今日まで
来た。

<通算最多勝利をねらう白鵬>
白鵬の記録はまだまだ伸びる余地がある。
優勝記録とともに、どこまで通算勝利数を
伸ばしていくか。今後の白鵬を注視して
いきたい。
データの調査は膨大な時間を必要とします。
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