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ビデオ採用46年半 未だ実現していないこと

いまやプロ野球のアウトかセーフか、ホームランかファ
ールかをビデオで確認するのが、当たり前の時代になっ
た。大相撲は他のスポーツに先駆けてビデオを採用して
きた。昭和44年五月場所からである。今年で46年半が
経過した。半世紀近くになる。しかし、そのきっかけは同
年三月場所、大鵬の連勝記録が誤審でストップされたこ
とにある。この場所は44連勝の大鵬がどこまで連勝記録
をのばすか。これが最大の見どころであった。それが誤
審でストップするという、あってはならないことがおこった
のである。
三月場所2日目、大鵬は押しの戸田(後の羽黒岩)と対
戦した。戸田は先手を取って、大鵬を押し込んだ。大鵬
は東土俵から正面へまわり込む。戸田は追撃するが、足
が土俵を出た。その後大鵬が正面へ腰から落ちていった。
軍配は大鵬。控えの高鉄山も戸田の足が出たと主張。だ
が、審判は戸田の勝ちを主張。これによって世紀の誤審
で連勝記録が止まるという相撲史上類のない汚点が生ま
れることになった。当時の審判は一門の利益代表的存在
で、一門の力士のために物言いをつけることがしばしば
あった。
誤審
<写真採用を報じる大相撲誌(読売新聞社刊)>
 
ビデオ採用にあたって、NHKの映像を参考にすること
になった。これが、現在まで続いている。しかし、NHK
の映像は上から撮っている。そのため、土俵に水平の
位置から撮った映像が必要であるという主張は昭和
44年当時からあった。これがビデオ採用46年半未だ
実現していないことであり、必要なことである。これは
協会が独力でやろうと思えば、できるのではないだろ
うか。
150123十三日目幕内 1055
<2015年一月場所 白鵬対稀勢の里戦で物言い>
 
もうひとつ気になることがある。それはビデオの位置
づけである。ビデオはあくまで「参考」なのである。勝負
審判の目が最終決定なのである。しかし、人間の目は
機械を超えられない。弾丸の動きを追えない。飲み物
に落ちる水滴が描く図形をとらえられないのである。今
は1万分の1のスロー再生カメラさえある時代である。
勝負をより厳格に厳密にとらえるためにはビデオ判定
にも進化が必要である。
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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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