七月場所最大の注目は新大関に昇進した照ノ富士の活躍に
ある。しかし、思い起こせば昨年(2014年)の七月場所は
豪栄道が大関に昇進したが、優勝争いはおろか10勝すら
あげていない。照ノ富士は期待が大きいだけに10勝では
物足りないが、実際はどうなるかあらゆる角度から探って
みた。
以前は新大関昇進にあたって星を借りていて、新大関で
星を返すため成績がよくない、という見方をされた時代が
あった。大受が大関昇進を決めたとき、師匠の高島(元
三根山)親方がつい「大受にはやましいところがない」
と言ってしまった。八百長騒動があった後の現代では
星の貸し借りはあってはならない。仮にそんなことが
もし発覚したら大相撲はこりない集団として2度と復活
することはなくなる。
さて、最初に照ノ富士のよさからみていこう。照ノ富士は
腰がいい。よく両差しになられるが、それでも戦える。
それも豪栄道クラスを相手にしてである。前屈でないと
もたない腰は多いが、照ノ富士はそってももつ腰である。
右四つで胸を合わせる取り口、これが相撲に大きさをあた
える。頭をつけたり、下手中心の相撲は取らない。目的
意識をもって稽古をし、さらに地力をつければ玉の海の
ような安定した相撲も可能になる。
<まわしの位置が低い豪栄道だが、かまわず
攻める照ノ富士 三月場所>
照ノ富士の弱点は調子をおろす相撲が見受けられること
である。先場所は佐田の海、徳勝龍といった思いがけない
相手に負けている。それを繰り返してはいけない。新大関
のマイナス要因はほかにもある。ひいき筋に連れまわ
される点。俗に言う、ひいきの引き倒しである。新大関で
堅くなる。対戦相手が思い切った相撲を取りにいく。
などがあげられる。豊山(前名内田)は12勝、12勝、13勝
と3場所連続殊勲・敢闘のダブル受賞で大関に昇進したが、
新大関の場所ではまさかの7勝8敗で負け越した。照ノ
富士は大事な時期だけにくれぐれも油断なく稽古に取り
組んでいただきたい。
七月場所で最も重要な一番となるのが白鵬戦である。
先場所はあっけなくころがされたが、白鵬戦は工夫が
必要である。まず立ち合い圧倒することである。上手を
与えない体勢が理想である。そうなったら一気に攻め
込むことである。上手を取られてもがっぷり四つでスタ
ミナ勝負に持ち込むことである。長期戦は年齢差がでて
くる。白鵬戦を勝利するか否かで照ノ富士の今後が変わっ
てくる。
<白鵬に上手を与えず寄り立てる照ノ富士 三月場所>
最後に新大関の優勝をあげておく。優勝力士は8人しか
いない。
・東西制
鳳 7勝1分1預
栃木山 9勝1預
・系統別総当たり制
双葉山 11勝
千代ノ山13勝2敗
若羽黒 13勝2敗
・部屋別総当たり制
清国 12勝3敗
栃東(子)13勝2敗
白鵬 14勝1敗
今年になって白鵬に対して優勝を争ったのは照ノ富士
のみである。照ノ富士への期待は高まり続ける。
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