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双葉山と白鵬を比較する

白鵬と大鵬・千代の富士の比較はこれまで何度となく
述べてきた。そこで今回は偉大な横綱であり、力士の
理想像である双葉山と比べてみることにした。双葉山は
戦前の横綱であり、年2場所の時代の力士である。何を
どう比較するか首をかしげる方がいるかもしれない。
また、双葉山の相手が立てばいつでも立つ立ち合いや
後の先の立ち合いを出されてはいかに白鵬といえども
気のどくなことになりかねない。比較するのはあくまで
記録に関することに絞って検証する。
150116六日目十両途中 570
<白鵬>
 
優勝は双葉山12回、白鵬33回。では優勝率はどうだろうか。
双葉山は1937(昭和11)年夏場所の初優勝から最後の
優勝1943(昭和18)年夏場所まで15場所間に12回優勝
している。優勝率は8割である。白鵬は2006(平成18)年
五月場所の初優勝から2015(平成27)年一月場所までの
52場所間に33回の優勝である。優勝率は6割3分5厘で
ある。横綱に限っていえば双葉山は17場所中9回で優勝率
は5割2分9厘と急激に下がる。白鵬は45場所中30回で
6割6分7厘と急上昇して双葉山を逆転する。もっとも
白鵬は現役で晩年の成績がない分有利といえる。
初優勝から最後の優勝までの勝率は双葉山は180勝16敗
3休で9割1分8厘である。これに対し白鵬は680勝85敗
15休で8割8分9厘である。取組編成が双葉山は系統別が
7場所、東西制が8場所ある。白鵬は当然部屋別である。
ただし双葉山の時代は11日制、13日制、15日制と変わって
いった。興行日数が短いほど強豪にあたることになる。
もっともこれは双葉山人気で観客が国技館に押し寄せた
ため、興行日数を増やしたのである。
横綱勝率は双葉山は180勝24敗22休で8割8分2厘、白鵬
は607勝68敗で9割とここでは白鵬のほうがいいが、晩年
の記録がない分有利に働いている。白鵬は記録の面では
双葉山と比べても遜色がない。記録の比較は終わりにして
どうしても双葉山の偉大さは記録以外の面にあることを
伝えたい。
双葉
<双葉山のブロマイド>
 
50年にわたって相撲を見てきた者の目には双葉山が最高の
ものと見えるし、あえて危険を承知でいえば絶後の人では
ないかとさえ思うのである。それはなぜか。どういう
ところからそう思うのか。ひとことで言えば相撲に対する
志の高さ、それをなま身の体に具現してみせた偉大さから
くるものであるといえよう。
(中略)
双葉山にとってはその力士に勝つか負けるかということは、
ほとんど問題にもならなかったことだろう。その力士と
どういう相撲をとるか、日ごろけいこした自分の相撲が、
その相手力士を媒体としてどう出るか。これが双葉山に
とっての命題であったろう。(昭和の名力士100人 日本
スポーツ出版社刊のなかから小坂秀二氏筆の双葉山の
項目より)
やはり双葉山は最高の横綱像であった。、

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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