大相撲

一月場所総評

2015年1月29日

★大相撲人気に関して
一月場所は満員札止めが9回を含め15日間満員御礼
という快挙を成し遂げた。本当によく入った。平日が土日
と錯覚するほどだった。チケット発売当日初日のチケットが
完売になったことで人気の高さを感じていた。昨年九月
場所は14回満員御礼がでたが、ある相撲通にきくと今回
は平日の売行きがすさまじかったという。この人気はいつ
まで続くのか。人気は一過性という見方がある。その答えは
五月場所に出る。
150118八日目幕内 005
<満員札止めとなった8日目>
 
★白鵬が大鵬超えの33回目の優勝を達成
白鵬は中盤の勢戦、遠藤戦、高安戦に相撲の乱れがあった
が、立て直して全勝優勝した。磐石とはいかないが、全勝
優勝は大変な偉業。大鵬を抜いて33回目の優勝は節目の
優勝にふさわしいカタチとなった。去年同様今年5回優勝
すると37回優勝になる。40回さえ夢ではなくなってくる。
150125千秋楽表彰 568
<全勝でV33を達成した白鵬(右)>
 
★優勝争いについて
優勝争いがなく、しらけ場所の感がある。1強他弱では
相撲はしまらない。責任は日馬富士、鶴竜の両横綱に
ある。これで、日馬富士は優勝なしが7場所、鶴竜は横綱
昇進後優勝なしとなった。横綱は最低12勝しないと責任を
果たしたとはいえない。大関は論外。ひとつも期待がもて
ない。稀勢の里は白鵬、日馬富士戦は完敗。今以上成長
する余地はない。

★関脇以下で目立ったのは
上位はほとんど負け越しの中で照ノ富士だけが勝ち越した。
照ノ富士は上位とがっぷりでも戦える数少ない力士である。
横綱・大関に2勝3敗、関脇以下に6勝4敗である。関脇
以下にあっけない負け方が何番かあった。これを解消し、
横綱戦に勝利すれば勝ち越しに苦しむことはなくなる。
150117七日目幕内別角 020
<照ノ富士>
 
逸ノ城は攻撃力がない。単に左上手を取りにいくだけでは
怖さはない。白鵬戦は負けてもいいから工夫を見せることが
必要である。強くなるためにはどうしたらいいか。先人から
学んだり、稽古量を増やすなど現状を打破する姿勢をもって
いただきたい。

★三賞について
優勝できるのは一部の力士だけである。それ以外の力士に
とって三賞は励みになる。今回は照ノ富士の敢闘賞のみ
という寂しさであった。かつて春日野部屋は栃錦-栃ノ海
-栃東という小兵名人を誕生させてきた。また、大受など
徹底した押しが評価されたときがあった。現代はこんなに
技能に乏しい相撲を見せられているのかと思うとむなしく
なる。

★ほかに気付いたこと
十両は輝が楽しみな逸材だ。幕下で「達」といっていた
ときはもたもたしている印象だったけれど、関取になって
10勝、11勝と連続2ケタと飛躍してきた。
幕下でくいつく相撲の石浦、しこで足が高く上がる堀切が
新十両を決めた。彼らの相撲は面白いし、期待がもてる。
150125千秋楽十両幕下以下 341
<十両昇進を決定的にした堀切>
 
★場所の採点
人気が高かった割には全体的に低調。個々の相撲内容に
攻防が見られたが、白鵬以外の横綱・大関がふがいない
点は大きな減点で65点。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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