大相撲

白鵬連勝ならざる日

2014年12月25日

2010年十一月場所、白鵬は62連勝を引き下げて福岡に
乗り込んできた。白鵬が双葉山のもつ史上最高の69連勝に
挑む注目の場所となった。初日、白鵬の対戦相手は慣例
通り小結栃ノ心。栃ノ心は左に変わり気味に上手を取り、
白鵬に上手を与えない体勢をつくるも攻められない。
この瞬間白鵬は右下手から揺さぶり、栃ノ心の上手を
切り自分が上手を取る万全の体勢。上手投げで難なく
63連勝を達成。
101114初日幕内 1378 白鵬対「栃ノ心
<栃ノ心を一蹴した白鵬>
 
71年(当時)たっても破れぬ、誰も迫ることができなかった
双葉山の69連勝。まさに常人にはなしえぬ、超越した者に
しかできない記録だ。3/4世紀ぶりにそれに挑む白鵬も
超人だ。超人対超人の行く末はどうなるのか。目が離せ
なかった。

超人(双葉山)対超人(白鵬)の対決は2日目にして
終止符をうった。最も危険な相手稀勢の里に突き押しで
攻められ、どう対応すべきかはっきりしないまま防戦に
おいこまれた。最後は正面土俵に寄り立てられ、観客席へ
転落した。稀勢の里の勝因は一呼吸もおかずに絶え間
なく攻めまくったこと。一方白鵬は冷静さを欠き、いつ
もの白鵬ではなかった。

これだけ連勝新記録が騒がれれば心中は穏やかではいられ
ない。連勝というものは止まるときはあっけないものである。
むしろ大事なのはこれからである。連勝ストップ後双葉山は
さらに2連敗し、大鵬は休場してしまった。千代の富士は再び
30連勝以上することはなかった。
101115二日目幕内 1412  白鵬対稀勢の里
<白鵬の連勝を63でストップした稀勢の里>
 
この場所白鵬がくずれると優勝は低レベルになる可能性が
あった。白鵬はここで踏ん張って優勝決定戦で平幕豊ノ島
を倒し、14勝1敗で5連覇を達成した。連勝ストップの
場所にもち直し、17回目の優勝で真価を発揮した。
101128千秋楽幕内後半 877 白鵬対豊ノ島
<優勝決定戦で豊ノ島を倒し優勝した白鵬>

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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