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白鵬優勝物語 初優勝編

大鵬が出現するまでは最高優勝回数は双葉山の12回で
あった。しかも、双葉山が活躍したのは年2場所時代の
ことである。6場所時代の申し子大鵬が破竹の勢いで
優勝回数を積み重ねて12回は軽く越え(当然と言えば当然
だが)、どこまでいくかと思わせた。
大鵬は最終的に32回の優勝を達成した。その大鵬の優勝
回数に白鵬がついに並んだ。その白鵬が人生最大の喜び
と当時語っていたのが初優勝だった。それは2006年五月
場所のことである。
06夏千秋楽幕前半弱後 250天皇杯白鵬
<白鵬初優勝なる>
 
この場所は前場所十両で全勝優勝した把瑠都が新入幕を
はたした。のみならず、破竹の勢いで旋風を巻き起こして
いた。この場所第一人者の横綱朝青龍は3日目から途中
休場していた。大関は新大関の白鵬を入れて5人いたが、
白鵬と優勝を争ったのは大関陣ではなく関脇で元大関の
雅山だった。
06夏八日目十両三番前-幕内 168●嘉風対把瑠都○六切り
<嘉風対把瑠都>
 
雅山は大関を陥落して約4年半たっていた。大きな期待を
される存在ではなくなっていた。しかしこの場所だけは
違った。白鵬対雅山戦は早々と5日目に実現したが、
この時点では優勝を争っている意識は両力士にはまだない。
この一番は雅山が白鵬を倒した。雅山が白鵬に勝った翌日、
思わぬ伏兵旭天鵬に負け、ここから両力士1敗で併走して
いく。両力士白星を重ね、終盤を迎えた。
新入幕で13日目まで2敗できた把瑠都が14日目雅山、
千秋楽白鵬にあた優勝のカギを握ることになった。場合に
よっては自分が優勝戦線に躍り出ることも可能である。
しかし、優勝へ突っ走る雅山・白鵬の勢いは把瑠都を
もってしても止められず、両力士14勝1敗で優勝決定戦
となった。
組めば白鵬、離れて雅山といわれるなか大歓声の中、
激突の瞬間が来た。雅山が突き立てるなか、白鵬こらえて
まわしに手がかかり四つに持ち込んだ。土俵際の逆転を
くわないよう慎重にかまえ、ここぞとばかり正面に寄り
切り、念願の初優勝を達成した。白鵬32回優勝の最初の
一歩であった。
06夏千秋楽幕前半弱後 234○白鵬対雅山●
 <雅山と白鵬の優勝決定戦>

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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