大相撲

■秋13日目 座布団が飛んだ2大決戦を斬る

2014年9月27日

まず、白鵬対豪栄道戦。今場所の調子からいって白鵬に
負ける要素はない。しかも豪栄道には連敗中だからなお
さら、負けるわけにはいかない。ところが、実際は豪栄道
が左四つから一気に寄って出た。白鵬はこらえる間もなく、
土俵を割った。2度あることは3度あるという結果と
なった。まさかの展開に館内はどよめき、座布団が飛んだ。
140926十三日目幕内 1097
次に逸ノ城対横綱鶴竜戦である。前日逸ノ城は明日は
横綱戦ときかれ「マジすか。勝てるわけないです。横綱
だから」と語っている。事実稽古では鶴竜にうまく取られ、
まるで歯がたたなかった。しかし、稽古場通りいかない
のが本場所である。

立ち合い、逸ノ城つっかけるが鶴竜たてず。2度目、
逸ノ城の変化に鶴竜はばったり手をつく。再び館内は
どよめき、座布団が飛んだ。立ち合いの変化をやすやすと
くっていては相撲にならない。そんな立ち合いをした
鶴竜はいささか、いやこれ以上ないお粗末さである。
入門5場所目の脅威の新人逸ノ城は留まることを知らない。
140926十三日目幕内 1202
新入幕の優勝は1914(大正3)年夏場所の両国勇治郎
のみである。しかし、両国は横綱・大関との対戦がなく、
単なる数字上のトップで真の優勝者といえなかった。
横綱梅ヶ谷・大関鳳は途中休場だが、横綱太刀山・大関
伊勢ノ濱はフル出場していた。

両国絵葉書
<両国勇治郎絵葉書>

両国の成績は9勝1休み(不戦勝制度がなく、対戦相手が
休場すれば「や」扱いにされた)。太刀山は8勝1預かり
1休みである。この時代は協会が認定した優勝ではなく、
時事新報社が幕内最高成績者の額を両国国技館に掲げる
ためのものであった。

さて、これで14日目は白鵬対逸ノ城の1敗同士の決戦と
なった。白鵬が敗戦を引きずることなく、気持ちを引き
締め横綱の実力を見せなければ大相撲の屋台骨は大きく
揺らぐことになる。白鵬の責任は真に重大なのである。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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