安青錦が来たる一月場所大関として土俵にあがる。大関に決まった
のは十一月場所後だが、実際に相撲を取るのは一月場所である。そ
のとき安青錦は約21歳10カ月になる。若い。幕内でも藤ノ川に次ぐ
若さである。これは柏戸が大関になった時に近い年齢である。
安青錦は横綱を目指すと口にした。しかし、まだ大関としての実績
がない。大関止まりとなるケースは1ケタ勝利が目立つことである。
また、長期大関在位だともう一度勢いが必要になる。カド番は論外
である。

柏戸は大関在位7場所だった。横綱直前3場所は優勝がなく、33勝
だった。大鵬と抱き合わせだった。白鵬も同様に7場所である。た
だし連続優勝している。そのなかに全勝優勝が含まれている。
大鵬は大関在位5場所であった。最初の3場所は10勝、12勝、11勝
で優勝とは無縁でやきもきさせた。そのあと連続優勝した。21歳で
横綱になった北の湖、22歳で横綱になった朝青龍の大関在位は3場
所だった。年6場所制では最短の記録である。

横綱を目指す安青錦を予測する上でこうしたデータは参考になる。
22歳台での横綱を目標とするには1年が勝負になる。また横綱にな
るためには優勝が絶対条件になる。そのためには大の里に並ぶ力量
が必要になる。現在3連敗中である。横綱に勝てなくては横綱にな
れない。新大関の場所はスタートとして大事になる。