三月場所は15日間満員御礼、チケット完売御礼の場所だった。大相
撲は過熱時代に入っている。大の里と高安が優勝決定戦で激突した
のだから面白い場所だった。誰が優勝するか予想もつかない展開が
わくわくさせている。

会場で観戦できる方は限定されてしまう。大多数の大相撲ファンは
テレビ中継で楽しむことになる。知人の中には酒をのみながらテレ
ビ観戦する方がいる。テレビの創成期、テレビが大相撲ファンを増
大させた。栃錦・若乃花は小さいのでテレビに収まりやすい、とま
ことしやかに言われた
三月場所はテレビ中継にとって鬼門の月である。大相撲の2大天敵
が立ちふさがるからだ。総合テレビでは国会中継が長時間放送され
る。その結果大相撲中継はわずか55分ほどしか放送されない。
それが今場所は5回もあった。2日目・6日目・9日目・11日目・
13日目である。いくらなんでもいささか多すぎた。スポンサーであ
る受信料支払者の声を無視しすぎている。
もう一つは選抜高校野球である。こちらは10日目の18日から始まっ
た。雨での中止はなく、10日目は16時5分から大相撲中継が始まっ
た。12日目・14日目は16時スタートとなった。ビジネスでやってい
る大相撲は学生さんの野球にカットされている。

BSや4Kで見ればいいかもしれない。しかし、現実には総合テレ
ビのみの契約の方もいる。世の中には年金生活者、低所得者、物価
高・光熱費高による生活困窮者などもいるのだ。総合とBSをあわ
せると結構な受信料になる。しかも大相撲は奇数月のみである。
昭和30年代は5局同時中継の時代があった。国会中継のあるときは
民法大相撲放送があればと思わずにはいられない。