好転から暗転へ。優勝からカド番へ。一月場所の大関琴櫻はまさか
の5勝10敗と負け越した。三月場所はカド番として迎える。8勝す
ればOKだからクリアできるとみるのが自然である。ただ、土俵でケ
ガをして休場になる恐れはある。先代霧島はそれで大関の座を明け
渡した。

祖父琴櫻も初優勝後は途中休場している。ただ、カド番ではなかっ
た。途中休場は昭和43年九月場所だった。当時は3場所連続負け越
しで大関陥落だった。これは昭和33年にスタートした。
2場所連続負け越しで大関降格になったのは昭和44年七月場所から
である。祖父琴櫻は昭和44年一月場所5勝10敗で負け越した翌場所
に2回目の優勝を達成している。28歳のときである。
祖父琴櫻は大関で5回負け越しているが、カド番は3回である。結
果は以下である。
2勝4敗9休→9勝6敗
2勝4敗9休→10勝5敗
1勝2敗12休→8勝7敗
祖父琴櫻はカド番を3回迎えながら横綱に昇進した稀有な力士であ
る。ほかに昭和以降でカド番を迎えて横綱に昇進した力士が以下で
ある。

負け越し1回でカド番
男女ノ川
羽黒山
前田山
吉葉山
2連続負け越しでカド番
北の富士
負け越し1回でカド番
三重ノ海
曙
貴乃花
3若乃花
白鵬
日馬富士
稀勢の里
照ノ富士
琴櫻はカド番を迎えても横綱昇進が阻まれたわけではない。再び立
ち上がって横綱を目指していただきたい。