デビューから7場所で初優勝した大の里。これは最
短記録であることは広く知られるところである。公
式の優勝制度で、新小結の優勝は安念山と二人だけ
である。大の里が狙える記録はほかにも様々ある。
つぶさに検証してみよう。
■三賞
大の里は新入幕から敢闘賞、敢闘賞・技能賞、殊勲
賞・技能賞を受賞している。現在5連続受賞中であ
る。最高記録は大受の7連続受賞である。昭和48年
一月場所から七月場所にかけて記録した。
大の里はこの記録に並ぶ可能性がある。七月場所の
奮闘次第で2賞受賞できるかもしれない。また、3
場所連続ダブル受賞なら豊山(前名内田)の記録に
並ぶことになる。
■連続2ケタ勝利
現在関脇以下7場所連続勝ち越し中である。これは
七月場所で大関昇進を決めれば連続8場所で自動的
にストップすることになる。
大の里のもうひとつ狙える記録が入幕以降連続2ケ
タ勝利である。現在入幕以降3場所連続2ケタ勝利
中である。阿武咲が入幕以降3場所連続2ケタ勝利
を記録したことがある。
普通、どんな力士でも上位の壁がある。まして2ケ
タは勝ち続けられないものである。大鵬でさえ、入
幕2場所目に負け越している。白鵬は入幕以降7場
所連続勝ち勝した。それでも連続2ケタ勝利は2場
所であった。大の里は入幕以降どこまで連続2ケタ
勝利を続けられるのか。
■年6場所制入幕最短関脇・大関
大の里は入幕3場所目で小結になった。北の富士は
入幕2場所目が小結だった。新入幕で13勝2敗の成
績によるものであった。新入幕大錦は横綱・大関に
勝って2場所目は小結に抜擢された。だが、ともに
大敗で負け越している。
大の里は七月場所、関脇が予想される。年6場所制
で、入幕4場所目の関脇は初になる。大鵬は5場所
目であり、白鵬は6場所目であった。さらにもう一
つ。大の里は七月場所の成績しだいでは大関昇進が
あり得る。そうなると入幕5場所目で大関という記
録が生まれることになる。
■学生出身の横綱の優勝記録
大の里は輪島に次ぐ学生出身の横綱になれるか。輪
島が横綱に昇進して約51年が経過した。その間学生
出身で横綱になった者は誰一人いない。さらに大の
里は輪島の14回優勝をこえられるか。大の里の可能
性は広がる。