三月場所、尊富士の初優勝は衝撃だった。新入幕優
勝。前相撲から10場所目の優勝。ここまで負け越し
なし。十両1場所で突破したなど数々の記録に彩ら
れている。
尊富士は日大出身である。いわば学生出身である。
ただ、学生出身で横綱になった力士は輪島一人であ
る。そしてスピード出世と到達した点の高さは無関
係である。
そこで二人の年齢で比較してみることにした。輪島
は幕下付出でスタートした。それも2場所連続優勝
して十両入りした。22歳のときである。
尊富士の前相撲は九月場所であった。そこから8場
所かかって新十両に昇進した。昨年は36勝6敗であ
った。尊富士はそのとき24歳であった。
輪島は十両で時間がかかった。4場所で入幕は23歳
である。これは幕内から降格する力士が少数時期で
あったことが要因だ。尊富士は入幕時24歳である。
初優勝は、尊富士24歳の時である。輪島は入幕から
15場所目関脇で初優勝している。24歳のときである。
一人横綱北の富士が乱調で、大関大麒麟・清國・琴
櫻がまったくたよりない存在であった。
初優勝した年に輪島は新大関に昇進した。24歳のと
きである。貴ノ花と同日大関になった。貴輪時代が
くるとみられた。だが、横綱は、輪島が大関4場所
で横綱に昇進した。25歳のときである。
尊富士は横綱になれるか。それは年齢との戦いにな
る。26歳くらいまでが勝負になる。