尊富士を止めるのは誰かが焦点になると書いた。残
りの対戦相手で最も可能性のある力士が大関豊昇龍
であった。また対戦があとになればなるほど研究で
きる。ただ、どういう相撲になるかはまったく予想
できない。ひょっとしたら豊昇龍の立ち合いの変化
があるかもしれないとよぎった。
相撲は、豊昇龍が張り差しにいった。尊富士かまわ
ず、下からおっつけながら出る。向こう正面に豊昇
龍が後退した。だが正対することはなかった。これ
が好結果を生んだ。豊昇龍が小手投げで尊富士を一
蹴した。尊富士の連勝がついにストップした。
結びの一番で2敗大の里と3敗琴ノ若が対戦した。
この一番は先場所初対決で琴ノ若が圧勝している。
大の里のあたりを受けた琴ノ若がはでな小手投げで
ころがした。もう負けられない琴ノ若、意地の1勝
であった。
この結果1敗尊富士となった。2敗がなくなり3敗
が豊昇龍、琴ノ若、大の里、豪ノ山となった。尊富
士は1敗したが、後続とは2差をついている。豊昇
龍、琴ノ若戦はこれからである。
13日目の取組は12日目の取組終了後に編成された。
これは混迷の時代にこそおおいにやっていただきた
い。大賛成である。13日目尊富士は関脇若元春が組
まれた。3敗同士豊昇龍と豪ノ山がぶつかる。3敗
同士の星のつぶし合いのなか優勝の行方はどうなる
のか。尊富士有利のなか場所は大詰めにきた。