■栃木山
栃木山は横綱在位14場所、フル出場は13場所である。
横綱は追いつめられて辞めてはいけないという美学
から、まだ相撲を取れるのでは、というなかで引退
した。横綱敗北は8敗である。
その中で2度勝った力士がいる。清瀬川である。大
正11年春場所、大正12年春場所栃木山を倒している。
横綱栃木山とは幕内対戦成績2勝8敗2分1預の成
績であった。年寄伊勢ヶ濱として横綱照國などを育
てた。
■双葉山
横綱双葉山が唯一負け越している相手がいる。それ
は照國である。照國の3勝2敗の対戦成績である。
ただし、これには理由がある。双葉山が入幕以降常
に系統別総あたりだったが、昭和15年から東西制が
復活した。双葉山と照國は同じ方屋になった。これ
が昭和17年春場所まで続いた。そのため好取組双葉
山対照國戦がこの間失われてしまった。
初対戦は昭和17年夏場所であった。昭和19年、双葉
山は晩年であった。こうした事情のもとに双葉山対
照國戦があった。
■大鵬
横綱大鵬に最も肉薄した力士はライバル柏戸であっ
た。優勝決定戦をいれて大鵬の19勝11敗であった。
横綱は同日昇進だったが、大鵬は入幕から大関時代
までは柏戸に苦労していた。前みつを取って走る柏
戸の相撲を止められなかった。
優勝は大鵬、柏鵬戦は柏戸といわれた時期があった。
大鵬が柏戸の相撲をとめるようになって初めて優位
が得られた。横綱大鵬に2ケタ勝利した力士は柏戸
だけだった。横綱大鵬の晩年だったが、貴ノ花が2
勝3敗と接近した成績をあげている。
(この項目続く)