北勝富士は玉鷲相手に圧倒して快勝し、1敗を守っ
た。といっても、北勝富士の対戦相手に幕内上位は
当然一人もいない。幕内中位以下だけの星である。
11日目ようやく若元春と対戦する。なぜか1敗錦木
でもなく、2敗豊昇龍でもなく若元春であった。
その若元春は阿武咲の押しに屈し、3敗に後退した。
3場所33勝で大関昇進ならかなり追い詰められたこ
とになる。しかし、こうも現役大関が休場するよう
では32勝昇進でも内容次第ではいいと思う。仮にダ
メでも次の場所につなげることも大事である。
1敗錦木は明生と対戦した。四つ身の争いのなかか
ら左四つがっぷり。寄り立てる錦木。途中左四つに
寄なる。寄り立てる錦木に明生土俵際上手投げにい
くものの錦木体を寄せて寄り倒した。錦木は11日目
幕内下位で2敗の遠藤と対戦する。北勝富士ではな
く、さらに下位とは予想外であった。
豊昇龍はこれまで琴ノ若に10勝1敗と差をつけてい
た。だが、10日目の琴ノ若は違った。体を生かし、
一気に出ていった。こらえる豊昇龍を最後押し出し
た。豊昇龍は痛恨の2敗目となった。優勝から一歩
後退した。大関昇進のぎりぎりの戦いは避けられそ
うもない。
星のあがらない霧島は宇良に大苦戦。何度も危ない
場面をむかえながら必死の土俵。負けてもおかしく
ない場面が続出した。ねばった霧島が最後宇良を寄
り切った。霧島は九死に一勝であった。
優勝戦線はまだこれからも変化していきそうである。