先場所東十両筆頭で14勝1敗優勝した豪ノ山。番付
発表では幕内東12枚目だった。わずか5枚しか上が
っていない点に驚愕した。思い起こせば三月場所、
十両東3枚目14勝1敗で優勝した逸ノ城は6.5枚及
び十両東筆頭13勝2敗朝乃山は4枚しかアップしな
かった。長年大相撲を見、その歴史を学んだ身とし
てはなんとも合点がいかない番付であった。
まず、豪ノ山同様十両筆頭で14勝1敗優勝した力士
の番付アップ度を見ていこう。豪ノ山は〇13ながら
半分以下でしかでしかないアップ度だった。これま
で十両筆頭14勝1敗力士で豪ノ山ほど不遇の扱いは
なかった。若見山の7枚アップが一番低く、最高は
平成17年の豊ノ島の10枚アップだった。
以前はそれなりに番付を上げていたのだ。それでは
いつから十両優勝者に渋すぎる番付になったのだろ
うか。令和の十両優勝者の傾向をみていくと令和元
年十一月場所十両東筆頭東龍11勝4敗の場合、2枚
アップだった。だがこれは連続していない。
やはりこれは最近の傾向である。令和4年七月場所
の竜電からである。十両東筆頭12勝3敗優勝で4.5
枚しかアップしていない。このあとの九月場所、十
一月場所、一月場所は十両優勝の入幕者はいなかっ
た。そして三月場所優勝の逸ノ城、五月場所の豪ノ
山に続くわけである。
豪ノ山が14勝1敗で5枚しかアッップしなかったが、
実際幕内下位と十両上位に大きな実力差があるわけ
ではない。この十両優勝者の渋いアップ傾向はけし
ていいことではない。新大関霧島が8勝の貴景勝の
風下にたつのと同様、番付は非合理的方向に向かっ
ているとしか思えない。