十両は千秋楽を迎え、1敗豪ノ山・落合、2敗熱海
富士というハイレベルな優勝争いとなった。3力士
が好成績というのはなかなかお目にかからない。十
両は横綱のようなとびぬけた存在がいるわけではな
い。だから激しい星のつぶしあいになる。
豪ノ山の1敗は熱海富士により、落合の1敗位は豪
ノ山によるものである。熱海富士は落合と友風によ
る黒星だった。一月場所は元大関の朝乃山、三月場
所は最高位関脇の逸ノ城だった。だから、五月場所
の顔ぶれは新鮮に映った。いずれも将来どこまで成
長するか、どこまで出世するかという期待がかかる
力士である。
千秋楽、まず2敗熱海富士が8勝6敗の千代栄と対
戦した。相撲は突き合い、押し合いになった。千代
栄がいなしたあと再び突き合い押し合いになった。
千代栄が引くところをつけいって熱海富士が押し出
した。これで1敗力士の勝負を待つことになった。
1敗落合は7勝7敗の欧勝馬と対戦した。両力士当
たって欧勝馬が連続のはたきに出た。落合ついてい
って押し出した。これで熱海富士の優勝の目はなく
なった。
十両最後の一番に登場したのが1敗豪ノ山である。
対戦相手は8勝6敗の北の若である。この相撲、北
の若は立ち合いの変化で追い込み、上手からの攻め
で揺さぶった。だが、豪ノ山は残し、最後押し出し
た。
これで豪ノ山と落合の14勝1敗の優勝決定戦になっ
た。豪ノ山の一直線の速攻の攻めが決まり落合を押
し出した。豪ノ山は最後すばらしい相撲で十両優勝
を飾った。
3力士の戦いは幕内を舞台に新たな戦いへ突入する。